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「起業」でビジネスと若者を集めろ!宮城県女川町 地元定着にこだわらない「震災復興の未来図」

まだ震災は終わっていない
「NPO法人アスヘノキボウ」を作った人物

 未曾有の被害を惹き起こした東日本大震災から12年。復興は着実に進んでいるように見える。が、被災地で暮らす人々にとっては「まだ震災は終わっていない」のが偽らざる本音だろう。そんな被災地で「起業」をテーマにした町おこしに取り組んでいる団体がある。宮城県女川町を拠点に復興を目指す「NPO法人アスヘノキボウ」だ。

 女川町は被災市町村の中でも被災率が高かった。最大14.8mもの巨大津波が押し寄せ、人口約1万人の町で死者・行方不明者は827人、全住宅の約9割にあたる約3900棟が被災した。人口は震災前の約6割にまで減った。

 「仕事がない」「現役世代が出ていく」「少子高齢化が進む」「経済と人口の縮小」という負の連鎖が日本の過疎地を苦しめている。震災など激甚災害の被災地では、そのサイクルが一気に加速する。

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