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生命とは何か?DNAの勉強になるし
分子生物学研究者達の苦闘も面白い
たどり着いた答えは「動的平衡」概念

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『生物と無生物のあいだ』 福岡伸一(講談社現代新書 968円税込み)

 最近、大病をして死にかかったので、生きているのと死んでいるのとではどう違うのかと思い、本書を手に取った。作者の福岡伸一教授は、本書を出して売れっ子になり、以後、矢継ぎ早に本を出している。しかし、学術的な専門書はよくわからないが、この手の一般向けのものは、往々にして最初の出世作以上のものは生まれない。

 さて、生命とは何か?

 本書によれば、20世紀の生命科学が到達した答えは、生命とは自己複製を行うシステムということ。そしてそれを証明するかのごとく、DNAの二重らせんの構造が明らかとなり、その二重らせんが自己複製を行う機能を持っていることが証明されていく。

 本書の前半は、DNA発見とその構造と機能が解明されていく過程を、著名な分子生物学者の苦闘と葛藤を通して描く。著者はノーベル賞受賞者と価値ある研究を行いながら縁の下の力持ちに終わってしまった研究者達を、自身の研究員時代の悲哀も盛り込んで、読みやすい文章でリアルに描き出した。

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