難病の筋ジストロフィーなど遺伝性神経筋疾患の治療薬開発に挑む<Triplex Therapeutics>
自然への興味から遺伝子研究へ
ミトコンドリア病の治療を目指す
筋ジストロフィーは神経と筋肉が侵される難病である。遺伝子の変異によって、身体の筋組織が変性したり破壊されたりしても再生されにくくなるために、次第に筋力が低下してしまう。さまざまな種類があり、症状もさまざまだが、筋力が低下することにより運動機能に障害があるだけでなく、呼吸機能や咀嚼能力あるいは心臓の機能が低下したり、目や耳さらには脳などにも合併症が起こったりすることもあり、やがて死に至る。
世界では20万人を超える人々がこの病気と戦っているとされる。だが、健常者と同様な社会生活を送るようになれる根本的な治療薬は残念ながらまだ登場していない。
この筋ジストロフィーなど遺伝性神経筋疾患の治療物質を研究開発する創薬ベンチャーがTriplex Therapeutics(トリプレックス・セラピューティックス、千葉市美浜区、資本金100万円、従業員1名)である。
遺伝子の読み込み方を修正する核酸分子により治療する手法の開発に成功し、従来の治療薬以上に機能回復効果が期待できる医薬品登場の可能性が高まっている。