76年以上改憲しない国ニッポン「憲法の不備・欠陥」は誰もが気づいている
警戒感と抵抗感が強かった「安倍改憲」
コロナ、ウクライナ、台湾が国民を改憲に
5月3日、現憲法は1947年の施行から満76年を迎えた。もちろん一度の改正もない。
憲法改正問題は安倍晋三内閣の時代、「筋金入りの改憲論者」の安倍が「改憲挑戦」を唱え続けたのが影響して、政治の大きなテーマとして扱われた。2022年7月の安倍死没の後、最大の牽引力の消滅で、改憲の動きも衰勢に、と予想されたが、実際は違った。
「安倍のパワー」とは別の動因の社会現象や国際情勢などで、20年以降、憲法に対する民意に微妙な変化が生まれた。逆に憲法問題に注目が集まる動きが目立っている。
21年10月登場の岸田文雄首相は、実は安倍内閣の外相時代までは改憲に懐疑的だった。「積極的改憲政党」の自民党は、安倍内閣時代の17年、改憲プランとして「4項目」(自衛隊の第9条明記・教育の充実・緊急事態条項の創設・参院選選挙区の2県合区の解消)を持ち出した。岸田は17年8月に自民党政調会長に転じ、「4項目」の決定に深く関わることになったが、そのあたりから「積極的改憲派」に変身を遂げた感がある。