ChatGPTが徘徊し始めた 機械がヒトを越える！どう縛りをかけるのかがトップリーダーの役目だ

飛びついた岸田首相

　2023年4月10日、岸田首相が首相官邸で対応したのは「オープンAI社（OpenAI）」のサム・アルトンCEOであった。名前も知られていなかったベンチャーの経営者と、首相が面会するのは異例と言える。同社は、人間のように自然な回答を繰り返す「対話型AI」であるChatGPTを開発したことで一躍光を浴びた。

　ChatGPTとはChat＝雑談、Generative＝生成、Pre-trained Transformer＝訓練された変換器の略。ChatGPTでは、質問を書き込むと、膨大なオンライン情報・データをもとにして、それを集約した回答が即座に出てくる。

　岸田首相は会談中、アルトマンに「個人データの取り扱いに関する懸念からイタリアはChatGPTの一時使用禁止を決めるなど欧米では慎重論も広がっているが」と聞いた。アルトマンは「イタリアのように一発で禁止にしたら進歩はなくなる。徐々にルールをつくりながら進化させなければならない」と答えた。

　ChatGPTは、ウエブ上に存在する膨大な情報・知識データをロボットでかき集め、それをベースにして、ストーリー、対話、議論、データの膨大な文章を整理し、AI技術とスーパーコンピュータを使って、そのデータベースから質問に対する「回答」を生成してゆく。