―正体不明では五指に入る―「まずは検討してみよう」の「隣地拡大」戦略リースから多面展開するオリックスの正体
わからないと言われることこそ
社会の役に立っている証拠だ
社名は広く知られているものの、何で儲けているのか、はっきりと分からないという会社が世の中にはある。リクルートや、高給と激務の話が先行しがちなキーエンス、携帯電話事業以外はいまだに全容が掴みにくいソフトバンクグループなどが頭に浮かぶ。だが、それらの会社と並んで五指の中に入ること間違いなしと思われるのがオリックスだ。
プロ野球パシフィック・リーグの「オリックス・バッファローズ」を運営している会社という以外に、多くの人は、同社の事業内容について詳しくないと想像されるからだ。
そんな同社の2022年3月期業績は、営業収益が前期比9.9%増の約2兆5203億円、営業利益が同16.7%増の3020億円、当期純利益が同62.2%増の3121億円(米国会計基準)と、コロナ禍の最中という環境であったにも関わらず、増収増益を達成した。時価総額は2月15日現在で2兆9173億円と、日本を代表するモノづくり企業であるパナソニックホールディングスや日本製鉄を上回っている。であるにも関わらず、証券アナリストですら「とても分かりにくい」と吐露するほどの顔を見せる企業グループなのである。