習近平「ゼロ・コロナ」政策を投げ捨てたワケ 「ワグネル」支える法律事務所、権力亡者のディズニーCEO “脱炭素な”石油に太陽光・風力発電 中東はエネルギー3冠王
追い詰められた習近平
世界経済へのボーナスか
恥も外聞もあらばこそ、である。中国の習近平主席のことだ。「ゼロ・コロナ」政策から「コロナ政策ゼロ」=全面開放へ。驚天動地の大転換だった。ゼロ・コロナ政策は習近平の金看板のはずだった。“欧米諸国は経済回復を優先し国民の命を犠牲にしている、中国だけが国民の命を最優先に考えている”と。習近平のウソが立証されただけではない。中国人が何よりも大切にするのが面子である。大転換は、習近平の面子を木っ端微塵にする。
そんな大転換を、なぜ、決断したのか。ヒントは昨年11月にあった。この月、中国は大々的な不動産業救済策を打ち出している。
それまでの中国政府は、恒大集団のような大企業の破綻は回避させつつ、不動産業界全体に対しては至って冷淡だった。オクスフォード・エコノミクスの調べによれば、中国の新築住宅の値段は家計の可処分所得の8.5年分。2007年、住宅バブルが破裂する直前の米国のそれは5.8年分だった(ニューヨークタイムズ紙)。まず住宅バブルを収束させる。そのために中国政府は、不動産業界への融資を厳しく制限する方針を取ってきていた。