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外れ値の感想

私は世間一般の人と感じ方考え方がすごくズレている自覚があるので、たぶん大河ドラマに対してもとんでもなく間違った捉え方をしているのだと思うが、大宰府への道行きって傷心旅行だったの?という今更の感想。
まひろは自由になりたい一心で道長に別れを告げ、都を出たものとばかり思っていた。
周明の死をあれだけ泣き叫んで悲しむということは、周明との未来に期待があったからであり、失ったのは自分のせいという気持ちがあるからであり、
道長の手を自ら離した後悔があるからであり、つまり傷心旅行の帰結?

大切なものを失う、失ってから大切だったことに気付く、というのは源氏でも描かれることだし、世界の永遠のテーマでもあるし、それはいいのだけど、母を自分のせいで失った、それは道長に会いたかったから、というそれだけでまひろの喪失の物語の柱には十分ではないか。
周明の死も大きな喪失だったろうと思うが、必要だった?という感じがしなくもない。

全体として、今回の大河ドラマは名作だと思うし、大変満足している。
でも、原作に追いつきそうになったアニメのオリジナルストーリーみたいに、ここにきて取ってつけたような展開が多すぎる。
直秀の存在にはあった必然性が、周明には、特に大宰府の周明には感じられなかった。
いまのまひろにはどんな出来事もどんな出会いも執筆に昇華しないし、それは私の「光る君へ」にとっても魅力のないものなのかもしれない。
展開が急すぎると視聴者の考察に頼ることにもなり、それもちょっと辟易している。
まぁ身も蓋もない外れ値の感想だけど。
次回は最終回。
午後1時のドラマのようなセリフが上手く回収されることを願っている。




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