241129_ブラ多ぁ望#9@宇津救命丸工場
開催日と場所
2024.11.29 ブラ多ぁ望#9 今回はスペシャル企画です。
行先は「宇津救命丸工場」です。宇津救命丸はご存知でしょうか?
私は、こどもの頃にみたTVコマーシャルがなんとなく記憶に残っていました。そんな製薬会社が近所の高根沢にあるとは全然知らず。
さらには、その会社は創業から400年(1597年)を超えるらしいです。なんと江戸幕府の前から!!
地元の小学校では社会科見学のコースになっているそうです。ということは地元のこどもたちは知っているんですね。
企画
実は、この企画は今年の5月に考え始めました。ブラ多ぁ望#7@金井神社編でレポートしています。このときは、週末の朝だったこともあり、宇津救命丸工場はお休み。外から眺めただけでしたが、それでも外から見る観音堂や厳かな松など、じっくりと見て回りたいと思っていました。
ただし、この企画、結構ハードルが高いのです。工場見学受付には、平日であること、5人以上で申し込むことが条件となっており、なかなか集めるのが大変でした。
結果的にお休みをとって集まっていただいた5名は、なんと俳句仲間である「季語戦隊 詠みレンジャー」の皆様となりました。他にもたくさん声かけたんですが・・・。
このブログを立ち上げるきかっけとなった仲間のみなさんです。
レポート
5月に来たときはしっかりと閉まっていたゲートが空いています。ここから駐車場に入りました。
今回予約したのは14:00~15:00。さっそくガイドさんが来てくれて見学会がスタートしました。最初に説明いただいたのは3つ藤の家紋。土蔵の壁に大きく掘られていました。藤がたれておらず、3つとも外向きに描かれているのが特徴です。そしてお屋敷には大きな長屋門がありました。これまで見たものよりもかなり大きいです。どうやら昔は馬に乗ったまま、この門をくぐったからだそうです。
宇津救命丸工場の中には、400年前の創業当時からつかっていた薬師堂があり、紅葉と重なってまるで異世界に転生したかのような雰囲気でした。
このあと「雲深堂」という資料館に入り、宇津救命丸の歴史について教えていただきました。資料館の内部には創業からの年表や当時のパッケージ、看板、製造器具、製造機械など幅広く展示されていました。
宇津救命丸は小さな銀色の粒で、赤ちゃんの夜泣きに効くそうです。その原材料は国内では手に入らないものばかり。当時から海外から調達していたようです。
こちらが創業当時につかわれていた手作りの器具。小さな銀色の粒を一気に測る器具など興味深いものばかり。このひと粒は極めて高価な価値で、米一俵分あったと言われています。
宇津救命丸は東側が普及エリアで、巡回帳が展示されていました。ここに出納の記録を残していったようです。
そしてこちらは十二神将と呼ばれる如来像です。薬師堂にあったものですが、盗難が多く、移動してきたとのこと。干支の動物がそれぞれの如来像に表現されていました。
ここから工場の外に出て、宇津家の墓地と薬師堂のある場所へ行きました。薬師堂は日光東照宮の宮大工さんが作ったものらしく、彫刻など東照宮のような立派な雰囲気を感じることができました。
もともとは茅葺き屋根だったそうですが、茅がまったく取れなくなってしまい、銅板の屋根に張り替えたそうです。
下の写真にあるように、一周にわたって掘られた彫刻は見応えありました。
というわけで1時間程度と聞いてた見学会は、1時間40分もかかってしまいました。あれこれ質問しすぎたのかもしれません。
最後に正門の松の前で記念写真。ガイドさん、丁寧な説明ありがとうございました。お土産もいただいてしまって恐縮です。
さて、ブラ多ぁ望はここで終わりではありません。近所のスタバに移動して、俳句を考えないと!!
コース
この地図の中の「天神様」と「こくぞう様」はかつての宇津家の敷地内だったもの。5月のブラ多ぁ望のときに、見つけて地点登録しておきました。
多ぁ望の作品
1.冬ぬくし見上げる彫は何物か
昼間はとても暖かかったです。薬師堂は東照宮の宮大工さんが手がけたらしく、素晴らしい彫刻が随所に見られました。獅子、亀、象、鳳凰など、様々な動物が刻まれていましたが、どれも架空の動物らしいです。そうか、現実の動物ではないのか!?という違和感を詠ってみました。(薬師堂の彫刻の写真参照)
2.初紅葉語りかけるは十二神
薬師堂に鎮座されていた十二神将を資料館でじっくりと見ることができました。黄金に輝くダイナミックなポーズと表情を見ると、それぞれに違った言葉を語りかけてくるようです。(十二神将の写真参照)
3.秋惜しむ400年の宇津社
夕方から曇ってきて、一気に寒くなってきました。というわけで季語は「秋惜しむ」を選びました。約1.5時間かけて創業400年の歴史に触れた時間は、なかなかの異世界体験となりました。その荘厳な時間を「400年の宇津社(うづやしろ)」と短い言葉に込めてみました。(最後の集合写真参照)
くるすてぃーぬ先生の講評
1.冬ぬくし見上げる彫は何物か
「冬ぬくし」の ほんわか季語に 「何者か」と 意外性が際立ってると思います✨ 彫刻を、「彫」と使って音数調整するところが工夫されています。 意外性がイィ〜😍
2.初紅葉語りかけるは十二神
今年は特にやっと会えた赤い紅葉に感動しました✨ 宇津薬師の12神にもやっと会えました😍 12神の方々も、冬空の紅葉と、宇津救命丸見学にやってきた私たちにやっと会えた💕と思ってキメポーズをしてくれたのかもしれません。 絵が浮かんで奥深い一句です。
3.秋惜しむ400年の宇津社
「秋惜しむ」の季語を 400年という具体的で巨大な数字と 宇津社という固有名詞の 具体的な荘厳さが まさに季語を主役に立たせてくださった一句です。 「季語を主役に」が俳句の使命なので、とても素晴らしい句に仕上がっていらっしゃると思います✨