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【誰が使う!?】JRのトラップパス
JR西日本ではつい先日、50240円払うと一ヶ月JR西日本乗り放題という一見すると魅力的なきっぷが発売されました。
しかし、このきっぷ値段の高さや有効期間の長さはもちろんのこと、トラップが多い上、発売発表から発売開始まで間も無く、発売期間も短いので無限大とはほど遠く。誰が使うんだという声もあります。
2021年に発売された東海道新幹線数日間乗り放題とホテルがセットになったワーケーションプランと比べても意図が分かりにくいと感じます。
ここからは無限大パスのトラップを列挙します。色々トラブルの原因にもなりそうですが、利用予定の人はトラップは確認の上購入した方がいいかと思います。
トラップ1:利用範囲はICOCAエリアのみ
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購入すれば、JR西日本一ヶ月乗り放題と思いきや、ICOCAエリアのみ乗り放題となります。もちろん新幹線も利用できません。
また、北陸エリアの七尾線、城端線は利用できません。
トラップ2:KANSAI MaaS 経由での購入
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これはトラップというほどではありませんが、券売機や窓口では購入できません。KANSAI Maasという最近流行らせようとしてるアプリからの購入です。
JR東日本の都区内パスと異なり、券売機でICカードに印字したり、モバイルICアプリでの購入ではないので注意が必要です。
また、購入後利用開始を押さないとポイントバックされないようです。
トラップ3:50240円購入でプラス利用区間分は立て替え払い
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発売価格はゴー西へ!ドヤッ!となってますが、購入したはいいものの、実際利用する際はIC利用区間の運賃を立て替え払いしなければいけません。
元を取るために、一時的にとはいえ10万円は最低でも準備しないといけないきっぷです。
尚、後から立て替えた運賃はポイントで還元されます。
このタイプのきっぷはJR西日本ではちょくちょく発売されてましたし、東京メトロでも似たようなサービスがあるようです。
しかし、決算前に現金を確保しなければいけないくらい追い詰められているのではないかとかSNS上ではささやかれています。
トラップ4:チャージ専用ポイントで還元
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さて、利用して晴れてポイント還元となった場合もWESTERポイント(チャージ専用)での還元です。通常のWESTERポイントですと、e5489などのネット予約や商業施設で利用ができますが、このきっぷではできません。
JR西日本ではポイントでしか購入できないお得なきっぷも発売されています。ポイント修行狙いで無限大パスを購入したはいいものの、他のお得なきっぷは購入できません。
トラップ5:ICOCAのチャージ残高の上限は2万円
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さて、通常のWESTERポイントで利用できないので、いざ券売機でICOCAのポイントチャージをしようとします。
しかし、たまった50240ポイントを一度ですべてチャージはできません。
ICOCAのチャージ残高の上限は20000円のため、残高が0円になる度にチャージをしても最低3回はチャージが必要です。
トラップ6:改札を出ずに200キロを越える利用はできない
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ICOCAエリアでは一部例外を除き、200キロを超えて通しでのICカードの利用はできません。
Suicaエリアでは大都市近郊区間の拡大でこの距離制限を回避してますが、JR西日本では異なった取り扱いです。
無限大パスはICOCA代金は通常通り一旦引かれるため、通常のICOCAのルールが適用されます。
新幹線が使えないので、やむなく在来線で大阪から広島まで山陽本線で移動しようとしても、改札を出ずにICOCAで来るとエラーとなります。
その場合、駅の係員などに申し出て、運賃の支払いを行うことになりますが、この場合ポイント還元対象外です。
これを回避するにはどこかの駅で改札を出る必要がありますが、200キロ以内となる着駅を調べないといけません。
単純なタッチ忘れや機器異常により、係員操作で出場の手続きを行う場合も、事情をうまく話さないとポイント対象外となるリスクもあります。
余談:JR東日本の炎上
https://www.jreast.co.jp/press/
JR東日本のある発表により、JR西日本の謎のきっぷは影を潜めてしまいました。
JR東日本では首都圏、南東北が乗り放題となる週末パスの廃止と訪日外国人向けのきっぷJR EAST PASS(Tohoku area)の10日間用の追加で外国人を優遇し、日本の旅行者は軽視するのかという声が出ているのです。
近年のJR東日本も他会社と同様効率化が進められており、鉄道旅行者を中心に不満があがっています。
ただ平日にJR東日本全線が乗り放題となる通称キュンパスが不定期で発売されており、完全に国内旅行者を見捨てた訳でもないように思えます。
確かに近年訪日外国人旅行者の増加でお金を落とす彼らを優遇する傾向は否定できませんし、その流れは自明の流れだと思います。
ただキュンパスなどのフリーパスがどれくらいの頻度で発売されるかなどの動向により、今後のJR東日本の考えが見えてくるかと思います。今は見守りたいと思います。
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