【診断士2次試験・事例Ⅱ】サイコ基準で腹落ちを

 私が別のブログで書いたことを、こちらでも書いてみますね。久々に、診断士2次試験のお話です。

 本日は、私が事例Ⅱを解く際に気をつけていたことをご紹介します。事例Ⅱ、人によっては「ポエム」になってしまう、と苦手意識のある方も多いようにお見受けしますが、私の場合、『ターゲット設定の際に「サイコグラフィック基準」を必ず盛り込む』と決めごとを作ったことで、与件文を腹落ちさせることができ、点数が安定してきたように思います。

事例Ⅱのフレームワークといえば

 ターゲット設定の話に入る前に、事例Ⅱで使う解答のフレームワークといえば、「ダナドコ」ですよね。

  •  ダ:だれに(ターゲット)

  •  ナ:何を

  •  ド:どのように

  •  コ:効果

 「ダ」はターゲットの話なので後述しますが、ナ:は「高付加価値な」とか「こだわりの」とか、B社の強みを活用。ド:はツールとしてのSNSや交流イベント、または、ニーズ収集や双方向コミュニケーションなんかも入るかもしれません。そして、コ:は売上、収益拡大や客単価増加、客数増加(そこに至るための接触増、愛顧向上などもあり得ます)といった感じでしょうか。事例Ⅱの施策を助言する問題を解く際には、私は必ず、「ダナドコ」と設問の下にメモをして書き始めていました。

ターゲットはデモ・ジオ・サイコで

 さて、「ダ」の話ですが、1次試験の知識でいくと、

  • デモグラフィック基準:年齢・性別・職業・所得・国籍…

  • ジオグラフィック基準:地域、気候

  • サイコグラフィック基準:消費者の価値観やライフスタイル

この3つを中心に学習したかと思います。

 もちろん、デモとジオも大切な基準で、例えば、令和3年度事例Ⅱ第2問での「B社社長は社会全体のオンライン化の流れを踏まえ、ネット販売を通じ、地元産大豆の魅力を全国に伝えたいと考えている。そのためには、どの商品を、どのように販売すべきか。ターゲットを明確にした上で、中小企業診断士の立場から100字以内で助言せよ」という問題の場合、詳細な説明は省きますが、「地元産大豆の魅力を伝える全国向けネット販売といった夢をこの機にかなえたい」という記述が与件文にあることから、「全国の」というジオグラフィック基準を解答に盛り込むことは妥当性があると考えます(←個人の意見です)。

ターゲットの解像度を高めるサイコグラフィック基準

 ただ、事例Ⅱの過去問を解いていて(あるいは、実務補習で会社の営業戦略を考えるうえででの経験でもあるのですが)、「サイコグラフィック基準」を盛り込むことで「どのような顧客を思い描いているか」がよりビビッドになるため、解答に盛り込まない手はないと思うのです。

 先ほどの令和3年度事例Ⅱ第2問の例でいくと、「全国のネットユーザー」だけでは、ターゲットにも何にもなりません。しかし、「自宅での食事にこだわりを持つ全国の食通」と書けば、市場の細分化が一気に進んだ気がしませんか?

 同様のことは例えば、昨年度の事例Ⅱ第3問「アフターコロナを見据えて、B社は直営の食肉小売店の販売力強化を図りたいと考えている。どのような施策をとればよいか、顧客ターゲットと品揃えの観点から100字以内で助言せよ」という問題についても、「コロナ禍で料理の楽しさに目覚めたり作り立てを求めたりする客」と書けば、ターゲットのイメージがクリアになり、品揃えの話まで繋げるのがかなり楽になるような気がします。

 ダナドコの「ナ」のところでお伝えした、中小企業ならではの「こだわりの~」「高付加価値の~」を求める客というのは、裏を返せば、小回りが利く企業の商品を進んで求めている顧客となり、デモ・ジオだけでは測りきれない志向を持っているはずです。その顧客とはどういう人かを表すためには、サイコグラフィック基準の記載はマストだと思いますし、限られた字数内にはなりますが、受験生の皆様にはうまく表現していただきたいと思います。

まとめ&おまけ

 事例Ⅱは大外しするとかなり手痛いミスにもつながるので、ぜひ、皆様なりの解法を見つけていただければと思います。

 そして、令和5年度の試験は、久々に、コロナの影響から解放された事例企業がでてくるかもしれません。例えば、SWOTのOで「インバウンドの回復」みたいな話もあるかもしれません。平成30年度の事例Ⅱでは、「和の風情ある旅館で外国人観光客を取り込む」みたいな話がありましたが、ともすれば、インバウンドもターゲットに、みたいな話もあるかもしれませんね。

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