あまり聞こえない、自慢の耳です

私の聴力は平均値の1/3程度です。

多くの方が10聞こえるとしたら、私は3だけ聞こえます。

20代で突発性難聴になってから徐々に聞こえなくなりました。

突発性難聴は片耳の聴力が低下するのが一般的だけど、私は珍しく両耳仲良く難聴に。

特に聞き取れないのが低い音です。
男性のダンディな低い声
アイウエオの母音
水のポタポタ、葉っぱのカサカサ、風の音

突発性難聴になるまでは、耳には自信がある方でした。

と言うのも「絶対音感」を持っているから。
持っていたから。

小さな頃からピアノを習っていたので自然と音感が身に付き、聞こえた音は音符に自動変換されました。

CMで聞いたメロディや家電の呼び出し音など、大体のものはピアノで弾けました。
友達や大人たちが驚くのが面白くって、たくさん聞いてたくさん弾きました。

今はもうできません。
どんなに集中して耳をそばだててみても、聞こえない音は断固として耳に入ってきてくれない。

♪ドレミファソラシドは、私には♪ソラシドと聞こえます。

低音のドレミファは聞こえない。

つまり音楽は所々が歯抜けになります。
重低音、ドラムも聞こえないので、多くの方が聞いているのとは違う音楽が聞こえています。

ポーンと飛んでくる音のボールをキャッチするとします。
いくつかはキャッチできるけど、
目に見えないボールも飛んでいたのではないか?
実はまだ飛んでいるのではないか?
そんな感覚がつきまといます。

もしも今、耳に違和感のある方がいたら。
迷わず耳鼻科に行ってほしいなと思います。

聞こえの問題はスピード勝負。
この点、私は初動を誤りました。

重たい頭痛がして内科を受診
問題見つからず

別の内科を受診
耳鼻科を紹介される

メニエールと診断
専門の病院を紹介される

突発性難聴と診断
25日間の入院治療も、治らず退院。

最初に耳鼻科に行っていれば…と思います。

ま、なってしまったものは仕方ない。

不思議なことに、聞こえに問題があるからこそ、自分軸でいられる時間が増えました。

まず自分から積極的に話しかけます。
聞こえにくいことを伝えると、大抵の方は大きな声で話してくれます。優しい。

理解できない点があれば曖昧にせず「こういう理解でいいですね?」と確認します。

聞くのが弱いならせめて話すのを強みにしようと、ボイトレで話し方を鍛えています。

ですので、聞こえていた頃よりも主体的で確実なコミニュケーションが取れるようになりました。

まだ聞こえている残りの音に感謝しながら。
この耳と共に、私なりの音の解釈で生きてます。

大抵の場合ヒソヒソと小声で行われる陰口や噂話の類を聞かずに済む「自慢の耳」です。

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