[Bookレビュー]「不動産テック巨大産業の破壊者たち」を読んでみた
「不動産テック巨大産業の破壊者たち」
を読んでみた。
不動産業界に身を置いている人間としてふと気になったので読んでみた。
内容としては今後世界と取り巻く不動産テックに関して予測される内容と海外(特にアメリカ)からの流れを広いあげているもの。
日本における不動産業界は、今後10年で日本国内で大きな変革があると言われる業界の1つであり、その中でも市場規模が大きいマーケットである。現在も変わらないが、昔から不動産の価値だけでなく情報の非対称性による利益が発生している。既得権益というわけではなく、そもそも情報自体にかなりの価値があったため、そこでお金を得ていてもなんら違和感がなかった。
ただ他の業界を含め、日常生活で情報自体の価値は低下し、その情報をどのように活かすかの方が価値として重きを置かれるようになったなかで、不動産業界も情報だけならそこまで価値なくないって異業界から参入し始めたのが日本における不動産テックの始まりなんじゃないかと思う。
実際不動産業界に身をおく人間としては、まだまだ不動産情報自体に価値はあると思っている。不動産市況がいいこともあり、特に都心における情報価値は高まりつつある。
また不動産(特に住居)ユーザーにとっては、異業界のあたり前があるため、情報を得るために、賃料の1ヶ月分の仲介手数料が高いと思う感覚があるが、不動産業界にいる人間は、慣れすぎて麻痺している。
この不動産業界と一般ユーザーとのギャップが大きすぎて不動産テックのニーズや可能性はあるものの、事業化するにはハードルが高いというのが現状なのではないかと思う。
個人的に思う1番の理由は、不動産techはキャッシュがかかることだと思う。マッチングサイトなどのレベルであればサイトを持つことだけで済む(これでだけでも黒字化するのは結構大変。最初はしっかり調達して赤字でもいいから事業をすすめなければいけない)が、そこに不動産自体を持つ場合にはそれなりに費用がかかる。所有だけでなく賃貸するだけでもだ。Weworkの急成長は、ソフトバンクビジョンの出資によるものだとも聞いたことがある。
そういった意味でも今はかなりお金を集められる環境だと思うので、不動産Techの可能性は大いに可能性があるのではないかと思う。