縁を切った知り合いへ
拝啓縁を切ったあなたへ。
元気にしていますでしょうか? 私は元気に何とかやっています。
この先は、見たくなければ見ないでください。きっと見ても、気分が悪くなるだけでしょう。
私はあなたに、2つ謝らなければいけないことがあります。
1つ目は、私のやりたいことばかりを優先し過ぎるあまり、あなたのことを置き去りにしてしまったこと。
私はあのとき必死でした。
学校外の友達や知り合いは、初めて同人イベントで同人誌を出す私を持ち上げ、学校の先生は、一般入試を受ける私に、過度な期待をかけていました。
そのときの私は、やる気に満ち溢れていました。同時に、大きな何かに押しつぶされそうになっていました。これが「期待」や「プレッシャー」というものでしょうか?
ハードな毎日で、あなたのことを考える余裕すらなく、日によってはきつく当たってしまったこともありましたね。本当はそれも謝らないといけないのに。
それに、7月以降からは、服装や髪型の研究等もしていたり、グレてしまったりしたので、服装や髪型も派手になってしまいました。きっと、前の私を知るあなたにとっては、混乱したことでしょう。
そんな情緒も雰囲気も不安定な私に付き合ってくれて、ありがとう。
なのに私は、自分のことばかり。だから、あなたのことを置き去りにしてしまった。好きなこと、やりたいことのために、心と体、大事な時間を削って。だから今は、不安感などで精神科に月一で通ってます。きっとこれは、あなたのことを置き去りにした天罰です。
2つ目は、あのとき、自分勝手な理由で縁を切ってしまったこと。
私は生まれつき短気な性分で、大事なものをいくつも壊してきました。あなたとの縁も、その1つです。
でも、あなたは違いました。短気でひねくれた私との縁でも、大事にしようとしていましたね。
私は本当に愚かです。くだらないことで縁を切ってしまって。
そして私が縁を切る前、あなたは私のことを、「大事な友達だ」と言っていましたね。
そのときは、「何言ってるんだこいつ」と思っていました。ですが、後で考え直してみると、あなたはこんな私のことを好きでいてくれました。人格者でもない私のことを。
今になって考えてみると、本当にもったいないことをしたと思っています。
今さらこんな手紙を書いても、あなたは許してくれないでしょう。それでいいのです。私はあなたが思っていたほど、聖人君子でもないですから。
でも、最後にこれだけは知りたいです。
なぜ、短気でひねくれている私のことを、「友達」だと思っていてくれたのでしょうか?
令和2年9月20日
佐竹健
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