空想の世界へ
さくらももこさんのエッセイを読んでいて、ふと思い出したことがある。
子供(小学生)の頃、あまりにも学校がつまらなく、家も居心地が悪く辛すぎて、空想の、自分の理想の世界を思い浮かべる妄想ばかりをしていた。
朝起きて、しぶしぶ学校へ行った後もずっと「今日は夜、布団に入ったらどんな世界に行こうかな」とそればかり考えていた。
必死に設定をした妄想を、夜に頭の中で再現して遊ぶのが唯一の楽しみだった。
今思うと、そうする事で自分の精神状態を保っていたのだと思う。
思い出したら子供の頃の自分が可哀想すぎて、切なく、苦しくなった。
この妄想癖?はわりと長く続いた。
大人になっても年齢の割に夢見がちで、
ある意味で純粋すぎて、目に見えないもの(お化けとか、物にも命が宿っているとか)そういう事を信じるような性格だった。
そういう所がなんとなく、周りとズレていたのだと思う。
そういうズレた所が「天然・不思議ちゃん・なんか変わってる」とだんだんと悪口→いじめへ変わっていった感覚がある。
相手が好意的に「面白い」という意味で「天然」と発していたとしても、私が傷つき拒絶してしまうのはその過去があるから……
そういう過去があるから、ずっと私は「普通になりたい」「普通はどうしてるんだろう」と周りの目を異様に気にするのかもしれない。
変だと思われたくない。
目立ちたくない。
普通でいたい。
「おかしな子だ」と親に言われた傷はなかなか癒えなかった。
空想の世界だけが、癒しだった。