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気が付けば口呼吸

 年末と正月休みがあっさりと終わり、日常生活が戻ってきた。ずっと眠ったり、また眠ったり、またまた眠ったりしていたかった。というような気もするが、実際は、何かしていないとすぐに罪悪感で死んでしまう。毎日びっしりと予定を詰め込んで「今日はのんびりしなかったぞ。あれこれやりつくした。一分たりとも無駄にはしなかった」と思えればこそ、ぐっすりと眠りにつけるというのが、とても悲しいが現時点での自分自身のありさまだ。正直、本当に頭が悪いのだと思う。

 朝起きてお弁当と朝ごはんを作り、同居人を起こして仕事へ出るのを見送り、少しして自分も職場へ向かう。仕事中は割とのんびりしている日々だが、すこしでも暇があると家へ帰ってからのタスクが頭のなかで積み上がっていく。まずは洗濯、それからご飯を炊いて夕飯をつくる、夕飯はなににしよう、床掃除がしたい、執筆もペン字もピラティスもしたい。それから英語アプリ。図書館で借りた本の続きも気になるし、明日は燃えるごみの日だからごみをまとめて……云々。

 そんなこんなで、2024年日常生活一日目の感想は「日々ってこんなに忙しかったっけ?」だった。自分のやりたいこと(やらねばならないこと)すべてなんてとてもやりおおせない。詰め込めば詰め込んだだけ達成感を得られたはずの一日。それがなぜか今度は勝手に分裂し、一日の間にまるで何日間も生きたような気さえしてくる。朝のうちに一日が経ち、仕事中にまた一日が経ち、夜家に帰ってからまた一日が経ち、同居人と夕食を食べ始めてから寝るまでにまた一日が過ぎている気がしてくる。やることリストは、すべてレ点をする前にどんどん下へ書き足されていく。恐ろしく、愛すべき日常。苦し紛れに、ちょっと高いチョコレートを買ったりして、結局、あとで家計簿をつけるときに後悔する。
 仕方ない。とりあえず、いまは、がんばる他ないのだから。お高いチョコレートをふたつ一気に口へ放り込みつつ、毎日を必死に生きていこうと誓う今日この頃である。


ピラティス中に家の窓から見える飛行機。どこへいくのやら。

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