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おまえは『20 Minutes Till Dawn』で夜明け前をサヴァイヴしろ

よくきたな。おれはNeverAwakeManだ。おれは毎日すごい時間ゲームをしているが、特に自慢にはならない。

おれは2月の末からエルデンリングやホライゾンといった超大作ゲームを遊び続けていた。それはオロドルインを目指すフロドの冒険めいて壮大かつ過酷で、とてもたくさんのカロリーを使う旅路だった。2か月以上にわたる長い戦いの果てにおれは狭間の地を征服し・・・機械獣から人類を守り・・・そして、燃えつきかけていた。しばらくは大作を遊ぶ気にはなれない。おれはゆっくりと眠ってから、VALORANTのデイリーミッションを消化したり、小粒なINDIEゲーを触ったり、マーベリックを観に行ったりした。デカい仕事を終えたガンマンが平和な牧場で過ごすのと同じ、おだやかでゆるやかな時間をおれは感じていた。それはいわば、ゲーマーとしての精神的リハビリだった。

こうして、場末のサルーンで酔いつぶれる与太者のように平和ボケしたおれが、Steamの荒野を不用心にほっつき歩いていたある日のことだ。あるゲームがカタログにふらりと現れ、威嚇射撃をしかけてきた。

「トゥウェンティ・ミニッツ・ティル・ドーン……」そのゲームは静かに、そしてちから強く名乗った。深淵を湛えるダークトーンのドット絵が不穏にざわめく。まどろんでいたゲーマーの直感がにわかに目覚め、おれに囁いた。HEY・・・こいつはヤバいゲームだ・・・と。

自分で銃-GUN-を撃て

もしおまえがいっぱしのゲーマーなら、上のトレイラーを見てこう思うかもしれない。「俯瞰視点、弾幕、敵の群れ・・・コレって、こないだ流行ってたVampire Surviversのパクリっしょ?」と。

まずはそのしたり顔をやめろ。おまえは自分をサブ=カルチャの最先端にいると思い込み、実体験を伴わない知識ばかりツイッタアーで手に入れ・・・別のなにかと比べることでしか語れない。おまえがやっていることは、K・O・Fは横スクで殴り合うからストファイのパクリだとゆうようなもので、つまりブルシットだ。そんなことを言っている暇があったら今すぐ財布から310円取り出してスチームに捧げ、20 Minutes Till Dawnを購入しろ。おまえが今最もやるべきなのは、自らの手で遊び、自らの目で確かめることだ。

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このゲームを起動したとき、おまえはマウスカーソルが赤い照準へと変わっていることにまず気付くだろう。VAMPIREサバイバーズではプレイヤーの操作は移動しかなく、攻撃は自動で行われていた。だが、20ミニッツではプレイヤーが自分で狙いをつけ、襲いかかってくるクトゥルフの怪物どもに弾丸を撃ち込み、殺さなくてはいけない。斧やムチや聖水が勝手に敵を殺してくれるなどという甘ったれた発想は捨てろ。そして、一匹でも多くの敵に弾を当て、囲まれないように動き続けることを考えろ。「エイムとか苦手だよお」と心配になるかもしれないが、モンスターは360度全ての方向から無数にやってくるので雑に撃ってもだいたい当たっている。安心しろ。

おまえのスタイルを持て

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倒した敵はタピオカみたいな粒を落とし、プレイヤーはそれを回収することで経験値を増やし、LEVEL UPできる。レベルが上がるとアップグレードがランダムでいくつか選ばれ、そのうち1つを選ぶことになる。アップグレードは銃のダメージや移動速度を上げるシンプルなものから、3分後に孵化するドラゴンの卵を召喚するといったものまで様々だ。さらに、特定のスキルを組み合わせることで特別なアップグレードが解放されるシナジーも存在するので、色々ためしてみろ。

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アップグレードの組み合わせは無限大で、おれにも必勝法は掴めていない。しかし少しだけ忠告しておく。まず、アップグレードにはプラス効果とマイナス効果が同時に発動するものがあり、テキトーに組み合わせると互いの良さを打ち消してしまうことがあるので注意した方がいい。また、倒した敵が分裂弾を生成するアップグレードがあるが、自爆の危険があるグレネードランチャーを装備しているときにこれを選ぶのはやめたほうがいい。なぜなら、分裂した弾も当然グレネードになり、それが自分の周りでひっきりなしに爆発し続けてにっちもさっちもいかなくなるマイケル・ベイ・タイムが訪れるからだ。

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この赤い粒々が全て爆発し、おれは死んだ

ランダム性にうまく対応しながら自分のSTYLEを作り上げることが、サヴァイヴを左右するカギとなる。大事なのは、各アップグレードの性能を把握し、それらを組み合わせた最終的なヴィジョンを思い描くことだ。

闇を生き延びて真の男になれ

夜明け前が最も暗いという言葉のとおり、怪物は夜明けが近づくにつれてムチャクチャに強く、固く、多くなる。敵に囲まれて身動きが取れなくなったところを燃えるシカに突撃されて殺されることも何度もあるだろう。

だが、おまえはいくらGAMEOVERしてもへこたれずにリトライしなければならない。銃、キャラ、アップグレードを選び直し、生き延びる可能性を探り続けろ。なぜなら、おまえに襲いかかるクトゥルフたちは現実世界の苦難・・・時代遅れの上司、高圧的なクライアント、減り続けるポテチ、寝る前の孤独感・・・そういったものと同じだからだ。自分をアップグレードして抗い続けない限り、おまえは奴らにむごたらしく殺され、食い物にされてしまう。

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苦難はいくらでもやってくる。だが、それでも、いつか必ず夜明けは来る。だからおまえはトライアゲインし、夜明けまでの20分を生き延びなければならない。

そしてサヴァイヴが叶ったとき、おまえの銃は陽光に輝き、真の男が荒野に立つ。おれがいいたいことは以上だ。

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