#28 恋愛に効果的な食べ物とは!?好きな人とのディナーを成功させる秘訣【ニューロ横丁10軒目:食べ物①】
恋愛の回で、好きな人に気持ちを伝えるためには、ただ物を送るだけではなく、例えば手紙を添えるなどの、一手間の工夫が大切だと学びました。
それで言うと、好きな人のためにお菓子などを作って渡すのも、効果的そうですよね!さらにそのお菓子自体が脳科学的にも恋愛に効果的なものをあげることができたら良いと思いませんか?
本日は「食べ物」をテーマにお送りします。
恋愛に逆効果な驚きの食べ物とは?
どのような食べ物が、パートナーとの関係性の構築に効果的なのでしょう?実は、恋愛を促進させる食べ物は、あまり研究されていないのですが、恋愛に逆効果な食べ物は見つかっているのです。
みなさんはバレンタインやホワイトデーに、甘いチョコレートを異性に渡すことがありますよね。それがもしかしたら恋愛には逆効果な可能性があると分かったのです。
ある実験で、甘いコットンの匂いを嗅いだ後に、パートナーとのロマンチック度(関係性)を評価してもらうと、無臭のコットンを嗅いだ人たちに比べて、甘いコットンを嗅いだ人たちの方が、評価の平均が低いという結果が出ました。
「甘いコットン」の匂いを嗅いだという実体験が、「パートナーとのロマンチック度」という、実際に匂いはついていない「記憶の甘さ」を薄めてしまうそうなのです。そのため、恋愛を促進させる食べ物があるのかは分かりませんが、甘いものよりも少しビターな物をあげるほうが、2人の関係性を「甘いもの」として、相手に覚えてもらうことができるかもしれません。
このように、味がきっかけで評価が変わってしまう実験と似ているものがあります。それは「プレイボーイ効果」です。男性に、とても綺麗な女性が写っている雑誌を見てもらった後に、彼女を見ると彼女の容姿が劣って見えてしまい、あまり好きではなくなってしまうという恐ろしい現象があります。
認知症予防に効く!最新のブレインフードとは?
他にも、脳に効果的な「ブレインフード」と呼ばれている食べ物は、たくさんあります。最近エビデンスが出ているものに、「地中海食」というものがあります。
オリーブ、魚、ナッツなどの、地中海沿岸の人たちが食べる食べ物を指しているのですが、これらの食品には、オメガ3という脂肪酸が多く含まれており、ポリフェノールやDHAも同様に、脳の神経保護作用があると言われており、認知症の予防などにもなるそうです。
身近なところでいうと、ウコンに含まれているクルクミンなども同様で、カレーをたくさん食べているインド人は認知症になりにくいという研究まで出ています。頭が良くなるかは分かりませんが、神経保護作用などの意味では、地中海食は効果があると言われています。
運動神経がよくなる食べ物については、あまりよく分かりませんが、よくアミノ酸とかについて研究されているイメージがあります。このようなスーパーフードのようなものは、日常的に摂取するのが好ましいです。
嗜好品みたいな形で言うと、コーヒーのカフェインなどがあります。会社の休憩でコーヒーを飲み続けていたら、家でもカフェインがないとやっていられない、いわゆるカフェイン中毒のような状態になっている人はいませんか?
カフェインのように、神経薬理物質といって、脳の中の神経細胞に直接作用を及ぼすようなものは、ハビチュレーションといって、慣れやすいと言われています。
例えば、ある人にカフェインのレセプターが100個あるとして、コーヒーを飲み続けていくと、だんだんそのレセプターが慣れてきて、100個あったものが80個、50個と減っていったり、感度が低くなっていってしまいます。そうすると、今までは一杯で済んでいたのに、もっとたくさん飲まないと、効果を感じられなくなってしまう作用が、カフェインは特に強いと言われています。
就寝前のお酒も、最初は一杯飲めば気持ちよく寝れていたのに、だんだん二杯飲まないと寝れなくなっていったり、といった話が以前もあったと思います。このようなことを、負の強化と言い、嗜好品の思考形成において、初めは1でよかったものが、だんだん2、3となっていくように、アディクティブなドラックやコーヒーなどを含めた、刺激性のあるものによく見られる効果です。そのため、どこかで一回抜くことをしないと、どんどん量が増えたり、効果が感じられなくなってしまいます。
何を食べるかよりも、どの順番で食べるかが大事?
何を食べるのかも重要ですが、人間は誰とどこで、といったコンテクストも大事になってきます。料理も、1品1品食べるというよりは、いろいろなものを食べていくと思います。その中でも、何を食べるかというよりも、どの順番で食べるかということの方が重要な時もあります。
例えば、同じものを食べ続けると、飽きてしまう現象があります。中華料理でも、1品を1人で食べるとなると、とても大きくて途中で飽きてしまいますが、みんなで4品をシェアして食べれば、最後まで美味しく食べられますよね。このように、人間は同じ物を食べ続けていると、だんだん慣れていってしまい、それに対して価値を感じなくなって、美味しくなくなってしまうというのがあります。そのため、先ほどの恋愛の話に戻りますが、クッキーをあげるにしても、同じ味のものを大量にあげてしまうのは、よくないと言えます。
また、デートでご飯に行く時も、人間の記憶は、料理が順番に出てきた時に、最後の料理の味で決まると言われています。このようなことをエンドエンジョイメント、ピークエンドの法則と言われていて、人間というのはある体験の中で、記憶が残るのは最後であるため、最後が最悪なデザートとかだと、食事全体の記憶が悪くなってしまうのです。
1品目がどんなに美味しいものでも、最後が美味しくないと、嫌な記憶になってしまうのです。その人の体験やコースの中で、一番最後にどれだけ美味しいものを食べたりだとか、どれだけ楽しい記憶を作れるかというのが、リピート行動といって「同じレストランに行く」「同じ食べ物を食べる」というものに繋がってくるそうです。このように、体験の最後がとっても大事になってきます。終わりよければすべてよしという言葉は脳科学的には正しいのです。
まとめ
恋愛に効果的な食べ物は、あまりないかもしれませんが、甘いものよりは少しビターな物を渡した方が良いのでは、という結果がありました。また、何をあげるか、食べるのかということだけではなく、食べる順番だったり、終わりがよければ、その人の記憶にとって良い体験になるため、最後に美味しい物を食べたり、良い思い出を作ってあげることが大切です。
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日常生活の素朴な悩みや疑問を脳科学の視点で解明していく番組です。横丁のようにあらゆるジャンルの疑問を取り上げ、脳科学と組み合わせてゆるっと深掘りしていき、お酒のツマミになるような話を聴くことができます。
番組名:ニューロ横丁〜酒のツマミになる脳の話〜
パーソナリティー:茨木 拓也(VIE STYLE株式会社 最高脳科学責任者)/平野 清花
配信スケジュール:毎週火曜日と金曜日に配信
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