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陽気なイケおじに出会ったお話。


環境が変わると
新しい出会いが生まれるもの。


そして以前に誰かが言ってた、

人は必要なタイミングで現れ
その役割を終えると去っていくもの。



どうしても手放したくない
出会いがあった。


それをなんとかどうにかしようと
踠いたことがあって、

でもなにをどうやっても
その言葉どおり
どうにもならないことを悟ってからは
執着というものをやめた。

おもしろいもので
そうやってなにかを手放すと
余白が生まれるからなのか
代わって新しいなにかが
やってくる。



去年から
通うジムを変えた。

ジム自体は変わってなくて
通う店舗が変わった。


最初はどことなく
歓迎されてない感(?)があって
全体的な雰囲気が苦手だったんだけども

ひとりの子と話すようになってから
それをキッカケにまたひとりと
次々言葉を交わすようになって、
今では友人のように仲良くしてくれてる

今となっては居心地がよくて
ものすごく気に入ってる場所。



そして最近、

スタッフの方達と仲良くなったことで
ひとりの会員さんと繋がった。




(たぶん)60代くらいの男性会員さん。

特別笑ってるわけではないのに
明るくてエネルギッシュな雰囲気を
醸し出してる印象が強い
イケおじ的な方で

その人もスタッフの人達と
とても仲がよく
楽しそうに会話をしてる姿を
よくお見かけする。


そう、とにかく陽気なのだ。


そのイケおじ会員さんは
市内のカフェで働いてるとのことで

連休中に来ると約束をして
今日、行ってきた。


お店で発見するなり
あぁ、この人すごいな。って。


周りは20〜30代くらいの
若い女性店員さんばかり。

そこにひとり混ざってるのだ。


それだけでもすごいのに
完全にその場に
溶け込んでるだけでなく
むしろ中心となってこの店舗の空気を
循環させてるようにすら感じられた。

そのイケオジは、
周囲から「マッチ」と呼ばれている。

周りの女性店員さん達は皆
「マッチおつかれ〜」という
フレンドリーがすぎる感じだ。


この人、やっぱりすごい。


「俺、もう上がるから」

といって帰り際に期間限定らしい
桃のケーキをご馳走してくれた。

注文したケーキとドリンクが
出てくるまでの間に
お盆休みの予定について話をした。



娘さんが帰ってきているらしく、


「これから買い物へ行って
ごはん作ってもう大忙しだよ。

アイツは寝てるだけで
なにもやらないから全部俺がやるの」

と嬉しそうな表情で
嬉しそうに愚痴をこぼしてた。

そのあとに


「ほら、俺もうひとりじゃん?
もう5・6年前かな、死んじゃったから」

と少し眉を下げて笑った。


おじさん(と、おばさん)という
生き物はどうして他人がすべてを
知っている前提で話をするんだろう

と不思議に思いながら
この人が抱えてきたこと
乗り越えてきたであろうことが
その明るさと対比されて
彼が放つ陽気さと強さを際立たせた。


想像を超える経験をしている人ほど
明るく強く、そして優しい。

自分の周りに現れる人たちは
例外なく皆そうだ。


自分自身どちらかというと
あまり良くない方の意味で
重たい経験もしてきた方だと思ってる。

だけど悲しいかな、
今のところ自分はそれらをなにひとつ
持ち合わせていない。





人を惹き寄せる、あの強さ。

器の大きさ。優しさ。


もっと時間が経てば
それらを手に入れることが
できるのだろうか。

吹っ切れてるつもりで
どこか微妙に乗り越えきれてない
悲しみと罪悪感を
ほんのりと醸し出して、

無意識に周囲の人を
惹きつけようとしてる
正反対な自分自身の存在に
嫌悪感を抱きながらも

あのイケおじマッチさんのような
本当の意味でかっこいい人間に
変われるときが来るのかな


なんて。





他人の評価を気にしない。
他人軸で、生きることはしない。



に、しても



周囲の人たちと関わらずには
生きていけない。

なのであれば
意識せずともそこの在るだけで
周囲に良い影響を与える人間に
なりたいよね。



そんな感じ。

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