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鏡越しの、愛くるしい人。




毎朝のジムで週に何度か
同じ時間になるお方がいる。


自分より年上であろう
ぽちゃっとした
比較的ロン毛のお兄さん。




朝早いと二人だけになることがよくあり
休憩中に観察をしていると
割と高重量を扱っていることが多い。

その為かトレーニング中に結構喘ぐ。
Air Podsのノイズキャンセリング機能が
敵わないくらいの勢いで。

日中にも遭遇したことがあるが
人がいないからか早朝の時間帯は
特に激しい。



そしてたぶん、
筋肉の動きを観察している系ではなく

トレーニングしてる俺、イケてる系の鏡好きだ。
(違っていたら全力でゴメンナサイ)



トレーニング間の休憩時、        
さらっと流れる髪の毛を
首を傾けながら何度も整え
気持ち半笑いのだるそうな感じで
一生自身の顔を眺め続けている。


こちらにはそれがまるで
エッチを終えた後のある種の
賢者タイムのように見える
(ヤメロ)(喘ぐ方が悪い)


そして困ったことに
なぜだか自身の顔に飽き始めると
こちらをガン見してくるのだ。

視線だけとかではない。
全身をこちらに向けてしっかり見てくるのだ。



いや、そのなんとも言えない
やり切った表情でこっち見んな←

と、いつも鏡越しに思っている



いつからジムに通い始めたのか
自分にはわからないけども、
結構毎回めちゃくちゃ鍛えて帰る
そのお兄さんは
不思議なくらい全然痩せてこない。


ほんとうに不思議なくらい
現状維持なのだ。




たぶん好きなものを美味しく
食べるためにトレーニングをしてるのかなと
勝手に予想している(たぶんだからね)


それもまたなんかいいよね。




そんなわがままBODYを
きっとものすごく
気に入っているであろう、

とにかく自信にあふれた
とにかく明るい安村さん似の
そのお兄さんを見ては
愛くるしいなぁと
思わずにはいられない。


なにかどこかが
確実に人とズレてるけど
そんなの気にせず
ゴーイングマイウェイ。

みたいな違う世界線で生きてるような人が
自分は大好物だ。



言葉を交わさずとも
陽気さが伝わってくる
その後ろ姿を眺めながら


今日もがんばろか、安村さん。


と毎回鏡越しに声をかけるのです
(ただ頼むから全身でこっちだけは見てくんな)




そんな感じ。

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