見出し画像

新米マーケターの「UXDってナンだ!?」#5

こんにちは!
顔の左右で異なるケアをして効果検証を行っている大野です。

朝の満員電車に乗っていたときのことです。
斜め前に座っていた女性が立ち上がり、立っていた私の横を通り過ぎていったのですが、座席にはスマホが置いたまま。
「スマホ忘れてませんか?」と声をかけると「ありがとうございます」と言い、少し離れたお年寄りに声をかけ、ご自分が座っていた席を案内していました。「あ、そういうことか」と察し、お年寄りが座る間際、私はスマホを女性に渡しました。
“わざわざ離れたところにいる方に声を掛けに行くなんてなんて親切!自分だったらどうするかなぁ。”と考えながら乗り換えの駅で電車を降りようとしたとき、背中越しに「携帯、ありがとうございました」との声が。
振り返ると先ほどの女性がお辞儀をしていました。
UXは対サービスや商品だけでなく、人と人との間にもあるのだなぁと、朝の満員電車で荒んだ心が、ほっこりした朝でした。

ネットイヤーグループでは・・

UX人材育成の取り組み

創業から21年、ユーザーエクスペリエンスデザイン(UXD)をもとにクライアントのビジネスを支援しています。従来、UXデザインは専門家(UXデザイナー)が担当していましたが、2020年からはとくにUX人材育成に力を入れています。
未経験者はもちろん、経験が浅い人がUXの基礎を学べる講座、UXデザインに携わってきた人は、教える立場へステップアップできる講座など、レベルに応じて学ぶ機会があります。

第5回は「ヒューリスティック評価」

さて、本日はヒューリスティック評価です。前回、評価シナリオを作成しましたが、行動や思考、課題など、最後まで書ききれなかったので今日はその続きから。
本日のアジェンダは7つ。
①オリエンテーション
②チェックイン
③講義のおさらい
④テーマについて
⑤ヒューリスティック評価
⑥発表・講評
⑦振り返り

チェックイン

UX_ヒューリスティック評価_4

前回と同じイラストですが、「何を求めてる?」と題し、今回は乗ってる人とカメがそれぞれ「何を求めているか?」を書き出します。
●乗ってる人
・楽しい体験
・たくさん魚を釣りたいな
・甲羅の乗り心地を良くしてほしい
・アドベンチャー
・帰路の説明

●カメ
・重いからおりてほしい
・連れて行ったお礼に餌をもらいたい
・褒められたい

本日のワークで行う“ユーザーがなにを求めているか?”を考えるためのウォーミングアップでした。

講義のおさらい

過去のプロジェクトを例に、ヒューリスティック評価までの流れと、実際のプロジェクトではどのようなことをやっているのか、成果物を見ながら説明してくださいました。

・プロジェクトでは、評価シナリオで書き出した複数の課題のなかで、同じような課題を集約し、どの画面に対しての課題なのかの改善を示唆する。課題の元となったユーザーの思考もあわせて書いておくとよい。

・改善示唆の主要なものが実際のウェブサイトでどう機能しあうのか?全体の概念図を描くと分かりやすい。

・大事な解決策をポンチ絵で書き、それを実現するにあたって想定される検討事項を書く(これを検討しないと実現できない、こんなリスクがある等)

・課題と改善示唆を一覧にまとめ、ユーザーにとってより良い体験になるのか?、また、実現しやすいのか?のランクをつける。ユーザーへの影響度と実施難易度の軸でマッピングし、何からはじめるのか、どこまで行うのか、対応時期等を検討する。

成果物が残っていることによって、会社全体のナレッジにもなりますし、本講座のような教育にもつながるので、先人たちに感謝です!

●よいTobeとは
ビジネスゴールに辿り着くまでにはいくつかのステップがあり、ユーザーの要求に応えていないと、顧客は次のステップに進まずに離脱してしまいます。ユーザーが次のステップに進むための態度変容を起こすには、考えたアイデアが受容される必要があります。

そのためには・・

●AsIsから要求をみつける
まずは施策を考えるのではなく、AsIsのUXを知ることです。そこから本質的な問い(要求の発見)を見つけることが、やるべき施策につながります。

簡易ワークショップ(#2)で行いましたが、CJMを作成することで、ユーザーにとってどのような体験が大事で、求めている本質的な要求は何か?その要求に対して何をすべきか?を見出す材料を見つけることができます。

テーマについて

このチームのユーザータイプは、「週末のレジャーとして年に1回くらいS水族館に行くユーザー」
テーマは、リピーターを増やすということを念頭において作業開始!
前回、書き出した評価シナリオに対して、行動概要、行動フロー詳細、対象画面、実際の行動・思考(想定)を書き出していきます。

次に、行動・思考の中から、リピートしてもらうための大事な体験要素を3つ選び、それに対して、重要なユーザー要求・ビジネス要求を書いていきます。ユーザー要求・ビジネス要求は、ユーザーが求めていることとS水族館が求めていること(どうなってほしいか)です。

今回もユーザーになりきって黙々とワークを進めます。

講師が画面上を見回りながら、適宜フォローしてくださるのですが、他の人がどんなふうに思考を書いているのかが分かるので、参考になります。なりきるのが上手な人は、独身でもまるでファミリーがいるかのような書きっぷりです(笑)

すべて書き終えたら、「なぜこういう行動を求めているのかな?」と、なぜ?を繰り返してみます。そうすることで表層的ではなく、もう一段階深い要求に辿り着けるかもしれないと講師からのアドバイス。
表層的かどうか?の判断は、手段を書いていた場合は、疑えるポイントとのこと。手段は解決方法のひとつ、その手段をなぜやりたいのか?を問うてみるとよいとのことでした。勉強になります!

普段、水族館はユーザーとして来館するので、運営側の視点で要求を考えるのが新鮮でおもしろかったです。

次に、課題を書いていきます。
その課題によって水族館にどんな不利益があるのか?という観点で書いていきます。

たとえば、
ユーザー要求:ちょうどいい時間にショーがやっているかどうか確認したい。
ビジネス要求:ショーのページを見て、魅力を感じて来館のきっかけになってほしい。

という要求に対する課題は、
ショーの時間は書かれているが、写真やショーの詳細が少なくて、魅力を感じるまでに至らない可能性がある。所要時間のなかでどんな体験ができるかが伝わってこない。

料金が見づらい、分かりづらいという課題に対しては、事象ではなく「どうしてそう感じるのか?」をもう少し深く掘り下げる必要がありそうです。

講師からのアドバイスをもとに書き直しをしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。最後は、講師からレビューしていただき終了。

まとめ

今回の講義での気づきはこちら。
・表層的ではなく、本質的な課題は何か?を考える。
・なぜを繰り返すことで、ユーザーのもう一段深い要求に辿り着ける。
・ユーザーとクライアントそれぞれの要求から課題を見出す。

次回は、この課題をベースに課題解決のアイデア発想を行います。
一日一学。それではまた!

いいなと思ったら応援しよう!