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第18話 高齢者は社会資源だ
高齢者はできることが少なくなっている
だから手助けをしなければならない弱い存在だ
社会的な資源を投じて保護しなければならない
社会にはこういったイメージが少なからずあるのではないでしょうか?
しかし一般的なこのイメージが高齢者をより追い詰めている要素があると僕は思います。
なぜならそういったイメージに当てはめるように制度や施設やサービスが作られてしまうことで、本来ならば高齢者ができることも社会ができなくしてしまっている可能性があるからです。
僕は高齢者は社会資源だと思っています。
認知症があっても環境を整えるとできることが発揮される
昔覚えた技術や知恵は忘れていない
幸福感に満ちた場を醸成することができる
甘えることが悪いことでないことを教えてくれる
できないことが多くても価値ある存在になれると教えてくれる
こういった特徴は若くて心身に障害の無い人にはなかなかできないことだと思います。
若い人にはできないこと=社会的には必要とされていること
ではないでしょうか?
あなた達は保護されるべき存在だと言われると誰しも自信を無くすのではないかと思います。
そうか私たちは保護されるべき存在なのだ
何もできなくなってしまったのだ
迷惑をかけたくないから大人しくしていよう
という思考に陥っている高齢者をたくさん見てきました。
それに反抗して立ち上がると『危険行動』と言われて保護をさらに強められます。
そんなに自信無くす必要なんて無いじゃない
それは保護じゃなくて監視・抑制だよ
と思うのです。
そして監視や抑制や行き過ぎた管理は、その人からできるはずのことを奪い、自信を奪い、生きがいを奪っているのではないでしょうか?
僕は誰しもが自分の価値を感じて生きていく社会は良い社会だと思います。
どんなに歳を取っても、障害を持ったとしても、すべての人が生きていくことに価値を感じ、必要とされ、だれかを必要とし、社会に寄与できる社会は美しい。
綺麗事だと蔑まないで
泥にまみれても這いつくばって
そういった美しい社会を目指していく存在でありたいと思っています。
高齢者はそれを教えてくれる貴重な存在です。