若者は選挙についてどう思っている? 世田谷区選挙管理委員会×ねつせた!
みなさん、2022年7月10日(日)は、何がある日かご存じでしょうか?
ご存じの方も多いかとは思いますが、答えは「参議院議員選挙の投票日」です。
ねつせた!では、同年代の若者世代にも情報をお届けしたい!という気持ちから、選挙管理委員会事務局さんと連携して、ねつせた!SNSでの情報発信をさせていただいています!
今年は、6月16日(木)に選挙管理委員会事務局のGさんとSさんにお越しいただき、参議院議員選挙の概要やあまり知らなかった投票方法についてなど色々とお話を伺いました!
参院選投票日間近!! 若者に選挙のことを知ってほしい!
Gさん 昨日(6月15日)、国会の臨時閣議にて、参議院議員選挙の公示日が6月22日(水)、投票日が7月10日(日)と決定されました。
世田谷区選挙管理委員会事務局では、投票率の向上、特に投票率の低い「若者の投票率向上」に向け、啓発活動を通して選挙全体の投票率の底上げにつなげたいと思っています。そこで、今年もねつせた!メンバーのみなさんとコラボさせていただき、TwitterやInstagramを活用した、若者の視点に立った啓発活動を行っていきたいと考えています。
発信にあたって、参議院議員選挙の概要や選挙管理委員会事務局の職務についてご説明したうえで、みなさんからのご質問に回答させていただき、選挙や選挙管理委員会および事務局について理解を深めていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
選挙管理委員会事務局って何をしているの?
Sさん 選挙管理委員会は、公正な選挙を行うために各都道府県や市町村に設置されており、首長から独立した合議制の執行機関です。選挙管理委員会の職務を補助・執行するために、選挙管理委員会事務局が置かれています。選挙管理委員会事務局の職務は、候補者対応、投票事務管理、開票事務管理、期日前投票・不在者投票管理、そして啓発事業、さらにポスター掲示上の設置箇所調査や設置撤去などがあり、いずれも公職選挙法等の法令に則って事務を進めております。
参議院議員選挙ってどうやって議員が決まるの?
Sさん 参議院議員選挙は選挙区選出と比例代表選出の2つの選挙で議員を選びます。
議員の任期は6年で、定数は選挙区選出が148人(そのうち東京都選出は12人)、比例代表選出が100人、合計で248人です。
3年ごとに半数が改選されるので、今年は選挙区選出が74人(東京都選出は6人)、比例代表選出が50人、合計で124人の議員を選びます。
東京都選出については、東京都全域で得票数が最も多い候補者から順に6人を当選人とします。比例代表選出については、「非拘束名簿式比例代表制」と「特定枠制度」(-※)により選挙を行います。
ねつせた!メンバーから、興味があることを直接質問!
ひびき 2つ質問があります。まず1つ目は選挙に来る人の組み合わせについてです。"友だち同士"や"家族ぐるみ"など、どういう組み合わせで来ることが多い印象がありますか?
Sさん 人によって様々ではありますが、投票所入場整理券を世帯ごとに郵送しているため、ご家族で一緒に投票所に来られる方が多いかもしれないですね。周りの職員にも聞いてみたところ、「友人と一緒にお越しになる方は多くない印象を受ける」とのことでした。
ひびき ありがとうございます。やはり「若者の投票率が低い」とのことから、人々はどこで「選挙に行こうか」という話をしているのかというのが気になっていたので、参考になりました。
2つ目ですが、選挙の方法として不在者投票制度というものがあると思います。僕の祖母が高齢者施設に入っているのですが、足が不自由だったりして投票に行くことができない人が、その施設等で投票をすることができる制度だと認識しています。この不在者投票制度はどれくらい利用されているのでしょうか? 例えば、不在者投票ができる施設がいくつかあるうちの何割くらいが使われているものでしょうか?
Sさん まず、不在者投票制度についてご説明いたします。投票は投票日当日に投票所で行うことが原則ですが、選挙人名簿登録のある自治体の当日投票所、期日前投票所で投票を行うことができない方のために、不在者投票にはいくつかの種類があります。
期日前投票および不在者投票のうち指定施設における不在者投票の割合は、衆議院議員選挙や今回の参議院議員選挙などの国政選挙でみると、衆議院議員選挙の小選挙区では、平成26年が3.07%、平成29年が1.84%、参議院議員選挙の選挙区選出は、平成28年が2.37%、令和元年が1.93%となっております。
こちらは総務省が作成している「目で見る投票率」(令和4年3月版)から確認することができ、指定施設における不在者投票制度を利用されている方の割合はかなり少ないことがわかります。
※参考(目で見る投票率 令和4年3月 P.16🔗)
また、世田谷区選挙管理委員会が作成した「選挙の記録」によると、世田谷区での不在者投票者数のうち指定施設における不在者投票の割合は、衆議院議員選挙の小選挙区で平成26年が64.8%、平成29年が59.8%、令和3年の54.7%、参議院議員選挙の選挙区選出ついては、平成28年が48.5%、令和元年が58.3%となっています。不在者投票のうち指定施設における不在者投票に関しては割合が半数に近いか、それ以上ということがわかります。
ひびき なるほど…。南極でも選挙に参加ができるように、いろいろな不在者投票があるんですね。その代わり投票の要件が厳しくなっているという現状もあるということもわかりました。
僕が少し危惧しているのが、施設の中に投票したいと思っている人がいるのに、その施設が不在者投票制度を利用しないから、その人が投票できないとかそういうことは起こり得ないんですか?
Gさん その施設が不在者投票を行うことができる指定施設に指定されていない場合は、施設で投票することができません。なお、その方が重度の障害をお持ちの場合や特例郵便等投票制度の対象の方は、自宅等自分のいる場所で投票することも可能です。ただ、そちらにも該当されない方は、お手数ではありますがご自身で投票所にお越しいただく必要がございます。
ひびき そうなんですね。ありがとうございます。
れいり 選挙管理委員会の動き方について質問があります。最近、民間企業や団体が、選挙割・投票割等を使って投票の啓発活動をしている印象があるのですが、世田谷区の選挙管理委員会公認でそういった運動を応援していくことは難しいでしょうか?
Gさん 世田谷区選挙管理委員会が公認したり、依頼したりすることはなく、民間企業や団体が独自で行っています。
世田谷区選挙管理委員会事務局の啓発事業としては、平成31年4月執行世田谷区議会議員・区長選挙の啓発ポスターは、世田谷区が発祥のウルトラマン制作会社「株式会社円谷プロダクション」と世田谷区選挙管理委員会事務局のコラボにより、作成が実現いたしました。今後も多くの方に投票日等、選挙について関心を持っていいただけるよう、民間企業や各団体等の皆様と新たな視点での啓発活動に取り組んでいきたいと考えております。
れいり ありがとうございます。
えりな 若年層の投票率を向上させるために、今ポスターを掲示されていたり、SNSを取り入れていくというお話を伺ったのですが、他にも取り組まれていることや、検討されていることがあればぜひ教えていただきたいです。
Sさん 啓発活動については、先ほどご紹介させていただきました平成31年4月執行世田谷区議会議員・区長選挙において、ウルトラマンとコラボした啓発ポスターを掲出し、話題となりました。
その他にも区内大学食堂でのペーパーナプキンや、居酒屋でのコースター備え置きによる啓発活動を行ってきました。
昨年からねつせた!メンバーのみなさんにもご協力いただいている各種SNSの活用もその一つとなっております。今後も新たな啓発活動の取組みを検討していきたいですね。
Gさん 補足です。ペーパーナプキンやコースターには、選挙の投票日等が記載されており、「選挙に行こう」という呼びかけの文言があるようなものを置かせていただきましたね。
えりな ありがとうございます。
すー 他国の取組みに取り入れられそうなものはあるのか、と思って個人的に色々調べてみたんですが、北欧だと、学校や家庭で政治の話をして当事者意識を持ってもらえるよう、投票所での炊き出しや軽食配布などをしているそうです。これは、日本でも地域の食文化継承にもつながりそうだしいいなと感じました。
あと、郵便での投票が今よりも簡単にできるようになったり、学生だったら生協に選挙人名簿への登録を自分でしたりと、当事者意識をもっと多く持ってもらえるような他国の取組みを取り入れてみてもいいんじゃないかと考えたのですが、いかがでしょうか?
Sさん 他国の取組みについて私も調べてみたところ、エストニアという国では、2005年の地方議会議員選挙からインターネット投票が導入されていまして、2007年には国政選挙でも採用されました。現在は、国政選挙、地方議会議員選挙、そして欧州議会選挙が国民投票でインターネット投票が可能となっております。
インターネット投票などの新たな投票制度を施行するには、国会での法改正が必要なため、選挙管理委員会事務局主導で行うことはできませんが、先ほど例を挙げていただきました主権者教育等については、今後も啓発活動を通して様々な視点から取り組んでいきたいと考えています。
貴重なご意見を頂き、ありがとうございました。
すー こちらこそ、ありがとうございました。
選管さんから、ねつせた!メンバーへの質問!
Gさん 先ほど、投票所の雰囲気についてのお話があったと思うのですが、皆さんから率直に投票所の雰囲気や、そもそも選挙についてどのようなイメージを持っていますか?
ひびき 投票所に行くことについてはあまり緊張しなかった方です。投票所が馴染み深い地域の小学校だったので、投票しに行く場所がどういう雰囲気なのかというのはわかりやすかったです。とはいえ、投票が行われるときは、一人ずつ匿名性を維持するために仕切りがある場所が作られていたり、いつもと違うところもあったりして少し厳格な雰囲気も感じましたが、それくらいしっかりしている方が信頼できると思います。
個人的には、元々区議会とかそういうものに興味がありますが、投票先の「人」についてはあまり知らなかったです。同世代を見ても、投票に興味があって投票所にはいくものの、投票先の「人」についてはそんなによく知らないように感じています。あまり良い言い方ではないかもしれませんが、「イベント」のように感じている人がすごく多いように感じるので、投票権を持った初めての時は行っても、次の年からはあまり行かなくなってしまうとかそういう風潮はあるのかな、と感じました。
Sさん 若年層の方であまり立候補者についてよく知らないという声が多いと思いますが、若者のみなさんは、立候補者の情報をどのような媒体から得ていますか?
れいり 私の場合は、SNSを含むインターネットから得ています。候補者個人のアカウントではなくて、今回の参院選だったら参院選のことをまとめたアカウントや、選挙のことをまとめたページで候補者の考え方を比較している表を見て候補者の情報を得ています。
えりな 私は今回ねつせた!のInstagramで投票啓発の投稿を作らせていただきました。これまでは、Instagramで選挙の日や投票場所を知らせるような広告や投稿を見て、選挙の情報を仕入れていました。候補者自体の紹介はInstagramではあまり見かけないので、ホームページが多い印象を受けています。ただ、今の若者世代は本当にSNSをよく使うので、今後そういう媒体に情報を多く載せてもらえると、もっと若い人たちにも見てもらえるのかな、と思いました。
すー 私は新聞の選挙候補者一覧を見て、情報収集をしました。また、NHKで放送されている選挙放送は選挙権がなかった頃から楽しみにしておりました。
れいり 私がよく見ているのは、女性候補者にフォーカスした内容が多いので、そういうのを見ていると、女性候補者の情報がまとまっているな、とは思います。あとは、リベラルな媒体をよく見るので、同じような人が推されているなとは感じます。
えりな 私もれいりさんと同じ意見ではあるんですけど、政策によって偏りがあるなとは感じることはあります。
Sさん ありがとうございました。
「選挙に関してもっとこういうところを知ってほしい!」by 選管事務局
Gさん 投票制度についてです。基本的には投票日当日に指定された投票所での投票をご案内していますが、仕事や用事などで当日投票所に行けない方のために期日前投票を受け付けています。また、出張や旅行、入院などの理由で投票へ行けない方には不在者投票制度を利用することで投票できるため、このような制度があることを多くの方に知っていただくことで投票率の向上につながっていくと考えております。
Sさん 区のお知らせや、選挙特集ページを作成しているのでご覧ください。また、選挙公報を各世帯にお届けしているので、参考にしていただきたいです。
若者がもっと選挙に興味を持つにはどうしたらよい…? ねつせた!メンバーの感想
すー 今日はお話ありがとうございました!選挙に向き合うのは年に数回ですが、その機会にはしっかり向き合いたいと思いました。今日のお話にも上がりましたが、選挙への関心は二極化しているので、関心のない層に声がどこまで届くのか気になりました。関心がない層にとって、選挙はやはりどうやっても堅苦しくややこしい印象が拭えないのかもしれないと感じたので、投票率をどうやったら挙げられるのかも考えていきたいです。自分は選挙歴が浅いですが、今後も関心を持ち続けていきたいと思いました!
れいり 本日はありがとうございました。
今回の参議院議員選挙は、比例代表制があるなどまた難しい仕組みになっています。私も、選挙について考えれば考えるほど難しく、頭が痛くなってきますが、せっかく先人たちが手に入れた選挙権を無駄にしないよう、選挙に行って私たちの声を届けようと思いました。
りお 前回に続き、意見交換会に参加できて良かったです。今年もメンバーそれぞれが質問を考え、より良い意見交換会ができました。私は1人暮らしなので不在者投票制度のおかげで選挙権を行使することができてありがたいです。より多くの人が投票することで国民の意見が国政に反映されると嬉しいです。
ひびき 意見交換会を通して、若者の政治参加の大切さを感じました。
これからの国を支える若者らが政治に関心を持ち、投票によって少しずつ良いほうに変えていくこと。子育て支援や福祉の整備など、これは自分達の問題なのだと強く思います。
若者における投票とその広まりについて勉強させて頂きました。
選挙管理事務局の皆様、ありがとうございました。
一同 いろんなお話を聞くことができてよかったです。これからも若者目線で同じ世代に興味を持ってもらえる投稿を作っていきたいと思いました。ありがとうございました!