「長靴をはいた猫」こそ、知識労働者の鏡である1
Le Maître chat ou le Chat botté
「猫の親方 あるいは 長靴をはいた猫」
このシャルル・ペローが創った作品は、僕の最も好きな童話の一つである。
大人になってあらためて読むと、この「猫の親方あるいは長靴をはいた猫」は最も先駆的な知識労働者(by ドラッカー)ではないかと思ったのだ。
この「長靴をはいた猫」は『ペロー童話集』に収められており、最後に教訓が書かれている。「長靴をはいた猫」の教訓はこうだ。
父から子へと受け継がれる
ゆたかな遺産を当てにすることも
大きな利益には違いないが
一般に、若い人たちにとっては
知恵があったり世渡り上手であったりする方が
もらった財産より、ずっと値打ちのあるものです。
「長靴をはいた猫」の話は知っていると思うが、念の為、wikiのリンクと
物語の動画リンクを貼っておく。
物語の冒頭はこのように始まる
ある粉挽き職人が死に、3人の息子にはそれぞれ
粉挽き小屋、ロバ、猫が遺産として分けられた。
三男が「猫を食べてしまったら、後は何もなくなってしまう」と嘆いている
これを抽象化すると
粉挽き小屋は設備資産
ロバは労働資産
猫は知識資産 である。
猫が「心配要りませんよ。まず、私に長靴と袋を下さい。そうすれば、あなたがもらったものが、そんなに悪いもんでもないことが近いうちに分かります」と応えた。
目に見える固定資産を手に入れた長男と次男よりも、無形資産である知識資産を蓄えた知識労働者である賢い猫を信じる事によって、彼は貴族(カラバ侯爵)へと駆け上がってゆくのである。