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【NMEからみる】スペインがロックダウン解除に向け4段階の方策を発表

毎度おなじみ、NMEのニュースを読み、仰天した。

仰天してしまったというが、日本にいる私の温度感と海外の温度感ではもちろん差があるだろう。中国の厳しい外出制限が解除され、人々が街に繰り出したというニュースを見て、絶句したのも自分の状況が当たり前と捉えすぎた結果だろう。

そのニュースがこちらだ。


スペインが早くて5月には「音楽コンサートを再開させる予定」だとのこと。

記事の概要を3つにまとめると。

・スペイン首相が国の復旧のため、4段階のステージを設定すると発表した。

・90人以上のキャパを持つ建物での「文化的イベント」を30人を最大収容人数に設定し、5月11日から再開させる。

・5月25日から人数制限を設けた上で音楽イベントを屋内にて再開させる。

補足情報をBBCニュースから見つけてきた。
スペインは4700万人の人口に対して2万4000人の死者が出た。

0段階:-5月11日まで

予約を取る業種(理美容院など)が営業を再開でき、レストランは持ち帰り営業の再開。

1段階:5月11日-25日

「文化的イベント」を復活させる。
本来90人の収容能力のある会場で30人を最大収容人数にする。

200人以下の屋外イベントにはソーシャル・ディスタンスルールを適用し、屋外のプログラムは着席にて行うことを義務付け。


2段階:5月25日-6月8日

50人収容の会場において
屋内コンサートを本来の三分の一のキャパで再開させる予定。

着席による屋外のイベントは音楽ファンに「必要な距離」をとることによって400人の規模まで許可される予定である。

映画と劇場を、本来の3分の1の収容人数で再開させる。

3段階:6月8日-

ナイトクラブ、バーを本来の3分の1の人数で再開。

スペイン首相がこの方策を発表した次の日、内務大臣が会見で
ロックダウンの段階的解除の期間中はロックダウン下より自制が必要である」と発言した。


ここまではスペインの例を取り上げてきたが前回も取り上げたように
アメリカの専門家は「2021年まで大規模イベントはできない」との考えを示している。


ラインナップを発表した直後に、開催を中止したグラストンベリーフェスティバル。6月24日から28日の開催を予定していた。


考えてみるといたって簡単なことなのだが音楽フェスティバルのあの見事なステージ。一夜でできるものではない。ステージ設営だけでも数千人規模の人数が動く。(簡単なものこそ一度立ち止まらないと見えないものなのかもしれない。。)1年に1回の祭典を全力で準備する人たちが動けない中、6月の開催ができようか。

だが10月の延期を決定したアメリカ、コーチェラはどうだろうか。
アメリカは感染者数が100万人を越え、特に患者数が多いニューヨーク州は30万人を出している。増え続ける感染者数に音楽イベントどころではないという現状がある。

イギリスの例で興味深いデータがまとめられていた。
イギリスも来週からロックダウン解除に向けた計画を明らかにする方針であるという。

イギリスのロックダウンで変わったことがいくつかあるという記事であり、
犯罪が前年同期と比べ28%減少したが反社会的行動が59%増加したという。

ロックダウン開始以降、全国で家庭内暴力が25%増えているという。

スーパーマーケットの売上高がロックダウン直前の買い占めなどにより、43%増加。コンピューターゲームやソフトウェアの売上が140%増加したという。

大気汚染が改善された

イギリスの大気汚染レベルが数週間で大幅に減少し二酸化窒素量が、1日平均では前年同期と比べて40%近く減ったそうだ。この記事を読んでヨーロッパの国の川に魚が戻ってきたこと、インドの大気汚染が改善され、真っ白だったニューデリーの景色がきれいな町並みへと変わった。またインド北部の街ではでは大気汚染により、数十年みられていなかったヒマラヤ山脈がみられたという。

新型コロナウィルスにより様々な活動に制限がかかっている現在。人々はそのなかでできることを常に模索している。顕著な例はネットフリックスの利用者の増加やオンラインの配信ライブなどであろう。当たり前にしてきたこと、当たり前だと思っていたものが実はそれほど必要ではなく、代替のものでさらに効率よく行うことができると気付いた人たちも多いだろう。

私も現在、ライブ活動が行えない、仕事がない、友人に会えないという三重苦を経験している。これほどまでにストレスが溜まる経験はしたことがない。日に日に肌が荒れていく。普通のことが幸せだったのだと気付かされる日々である。ただ仕事を、音楽活動を言い訳に、人生のすべきことから目を背けていたことがこの自粛期間で気づくことが出来た。時間はつくるものなのである。なにかを言い訳に現実から目を背けるなと教えてくれた。

少し後ろめたさを感じながらもほぼ毎日散歩に出かける。今の状況を知るよしもない曲たちが「まあ、生きていこうや」と背中を押してくれる。

夕方にビートルズを聴く習慣がある。少しだけ作業を中断させ、休憩する時間にしている。今日は久々に『Please Please me』を聴いた。


明日はなんの題材について書こうか、新たなニュースがあるのか、自分の好きな音楽について考えてみようか。なにかができないからこそ、深く掘り下げられることがあると思う。

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