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セネカの3作目となるMV "カノン"によせて。


大人になるってどういうことだろうか。自分はなんのために生きているのだろうか。これらは誰しもが抱える命題だろう。「2020年」はさらにそれを深く考えさせられる年になっているのではないだろうか。1人で考える時間、他者とどう生きていこうか意見を出し合う時間。その中で自己肯定感は目まぐるしく、またはゆっくりと浮き沈みする。

「大人になる儚さや切なさをメロディに乗せて」活動する「セネカ」は田邊 志祐(Gt / Vo)、南部 大樹(Ba / Cho)による、関西を中心に活動するスリーピースロックバンドだ。志祐は大学時代の友人であり、丁寧にMVの公開を伝えてくれた彼の助けになればとnoteを書くことを決めたが、彼らの持つ歌詞の力は、もっと大きな枠組みでnoteを書く目的を与えてくれた。

セネカは6月15日、"カノン"のミュージックビデオを公開。ストーリー性のある映像とともに、過去の経験を赤裸々に綴った歌詞は、聞き手を内情について問いかける世界へと誘う。



他者はすべて自分の思い通りに動いてくれるわけではない。むしろ自分の思い通りに動いてくれることのほうが少ないだろう。曲の中で歌われる「横顔、背中越し、カメラ越し」など、すれ違う2人の心情を描写する歌詞がメッセージを引き立たせる。

「大人になること」それは記録を残すことではないだろうか。大人になる過程で私たちはたくさんの成功と失敗を経験する。甘酸っぱい失敗、大きな失敗。それらの集積がひとりの「大人」を構成する。ものごとを知ってしまうことの儚さや切なさは避けられないことだろう。しかし、ものごとから学び、脳裏に刻まれる記録からこれからの生き方を模索する。

知ってしまうことは儚くもあり、その範囲内で好きなことをやっていくという楽しみ方を教えてくれるだろう。だけど、たまには道理を外れて自分を前面に出しても良いよね。だって君のことをよく知っているつもりだから。一緒にはいられなくてもこの音楽は置かせてもらうよ。

(ヘッダー画像はセネカHPより引用:http://seneca-official.info/)

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