【80点】[ゼスト]M-1グランプリ2021 3回戦 【漫才レビュー】
[ゼスト]
小野絢也さん/難波勝芳さん
『足の脱毛に手が出ない』
「足の脱毛をしたいが、予算が足りない」という話の入り口から、毛が濃いために「この手の足は手を出せない」と言われたなど、様々な「手と足の慣用句」を用いた言葉遊びを軸に話が展開していく。
本当によく練られた漫才だが、後半複雑化してくると一つ一つのセリフが長くなり、その説明も長くなってしまい、盛り上がりを作りきれなかった印象。
慣用句の組み合わせがどんどん長くなっていく場面で、観客が「ちゃんと理解しないとダメ」なセリフなのか、「なんとなくで聞いていい」セリフなのかが曖昧なため、ちゃんと理解しようと聞いてしまった者にとっては、その後の説明が煩わしく感じる。
どうせなら後半では、理解出来なくてもいい前提の、ただただ畳み掛けるパートを作り、その説明も省き、「なんか盛り上がってきた」ということのみを伝える構成にした方が、広い層にハマるのではないだろうか。
とても複雑な漫才をしっかり丁寧にこなされているので、腕は間違いない印象。オチも意外性はないが、美しい。
外見も含めてNHKや教育系の番組には好まれそうなネタなので、そちら方面の仕事につながって欲しい。
<総評>
ネタ構成:16/20
巧さ:17/20
インパクト:14/20
ウィット:16/20
分かりやすさ:17/20
総合得点:【80】
※サムネに使用している写真はM-1GP2021公式HPより使用。