産後ケア@ばんびぃにで自分を抱きしめた話
港区は白金台にある、産後ケアルームMamma&Bambiniのデイサービスへ行ってきた。
産後ケアに行くことになった経緯はこちら
個室でまったり
閑静な住宅街の中に隠れ家風の施設があった。
助産師さんににこやかに出迎えられ、お部屋へと案内される。
こじんまりとした部屋だが、それが落ち着く感じ。
睡眠を大切にするデイサービスとのことで、とても寝心地が良い寝具。
助産師さんからは、当日の過ごし方の打ち合わせだけでなく、育児についての丁寧なヒアリングが入る。
授乳のことなど、育児相談にも乗っていただけてありがたかった。混合授乳のバランスで悩んでいたので、哺乳量や体重を測定していただき、アドバイスももらった。
助産師さんとのお話が終わった後は、早速息子を連れて行ってくれる。
入り口の近くに保育室があり、保育スタッフさんが1人。
1日2組と少人数制。にもかかわらずしっかりした保育室で手厚いお世話が受けられる。
休息メインであることを伝え、沐浴もお願いして、ルームウェアに着替えて照明を絞りベッドに潜り込む。は〜最高。
近くに息子がいるとどうしても気になって眠りが浅くなってしまうが、プロに預かってもらっているという安心感があり、のび太くん並みのスピードでぐっと深い眠りに入れた。
感動のお昼ごはん
助産師さんのノックの音で目が覚める。あーよく寝た。気持ちいい!
大きなお盆と、旅館のようなお櫃にテンションが上がる。
白金台の有名店、和味大輔のお昼御膳だ。
脂っこくなく、お魚多めでしっかりタンパク質も取れて授乳中の体に嬉しい。やっぱり和食最強だよなぁ。ありがとう和味大輔、ありがとう日本。
手書きのメニュー表と見比べながら、丁寧に作り込まれたひとつひとつを、ひとりでゆっくり味わう。
ここ最近、こんなに料理を味わえていなかった。
夫や両親などが見ていてくれても、息子がその場にいるだけで、頭の7割ぐらいは息子のことを観察したり、今後の授乳や家事のスケジュールを考えたり。
息子の機嫌が悪くなると、7割が8割や9割になって、「ごめんね、ちょっと待っててね、急いで食べちゃうからね」と呼びかけながら、ごはんをかっこむことになる。
何も考えず、時間にも追われず、ただただ目の前のごはんと向き合って一口ひとくちを噛み締めていると、なんだか泣けてきた。
さらに、和味大輔の店主であり4児の父でもある井上大輔さんからの温かいメッセージが添えられていて、ますます感極まった。
本当に美味しかったです、ご馳走様でした。
あっという間の退所
その後、沐浴されてピカピカ、助産師さんや保育士さんにお世話していただきニコニコの息子に授乳をして、歯を磨いてもうひと眠り。あっという間に15時過ぎとなり、退所の時間となった。
助産師さんがお茶とお手紙を持って部屋に来てくれ(!)、預かっていた間の授乳やミルクの量、排泄、睡眠や体温を記した経過表をもとに、息子の様子を教えてくださった。
さすがマンツーマンで、しっかり見ていてくださったことがわかる細やかな報告であり、安心できた。
お礼を告げて外に出ると、夕方の清々しい空気が肺にスッと入ってきた。ベビーカーの上の息子も空を眺めている。外まで見送ってくださった助産師さんにはもはや後光が差していた。
寝たいならベーシックコースで十分かも
産後ケアルームMamma&Bambiniのデイサービスにはベーシックコースとプレミアムコースがあり、今回私はベーシックコースを選択。結論、正解だった。
以下サイトより抜粋
今回は休息目的で、デイサービスだと寝る時間も限られている。プレミアムもベーシックにプラス30分ということであまり変わらず、3500円の追加料金を払ってお風呂に入ったり、美容アイテムを試したりするよりはまず寝たい!という感じであったため、ベーシックで十分だった。
手ぶらで行きたい!眠れてはいるから睡眠以外でリフレッシュしたい!という方はプレミアムコースもおすすめ。
産後ケア施設は自分を抱きしめる場所
Mamma&Bambiniに滞在中、頭の中をよぎったのは前職の上司からいただいた言葉。
人に何かを与えるためには、まず自分が元気で幸せで余裕がないといけないよ
息子が生まれて、めちゃくちゃにかわいくて、お世話をするのも楽しい。眠れてないけど、ごはんかきこんでるけど、それでも最高に幸せ。それは本当。
でも息子のケアはこれからずっと続いていく。
今までなら自分ひとり、美味しいお酒を飲んだり、昼まで寝たり、ネイルをしたり、突然レイトショーに行ったり、美術館で美しいものを摂取したり、海で波の音を聴いたり、気軽にセルフケアができていた。
妊娠出産育児は病気じゃないけど、身軽さ、気軽さはやはり今までとは違う。
全母親というのはケアされるに能う状態であること、ぐっすり寝て、美味しいごはんを食べて、そうしてまた子どもに愛をたくさん注げることを今回実感した。
スタッフの皆さんの優しい言葉、廊下の美しい絵、素晴らしい食事、いい香りのおしぼりについているちっちゃなバンビちゃん、トイレに置いてあるハンドクリーム、ベッドサイドに置いてある小さい飴ちゃん、そんな一つ一つが、「あなたはここでゆっくり休んでね、自分を愛してね」と囁いている。
母親の皆さん、愛を注ぐ対象が増えたことですし、母親になる前より意識的に、自分で自分を抱きしめて。ここはそれにぴったりの場所です。
たくさんケアをされ、ピカピカになった私。
帰り道、施設の前は坂道になっていて、ベビーカーを押しながら坂をぐんぐん登る。足が軽い。息子が愛おしい。まだ16時前。晩ごはんは何にしようかな。買い物をして帰ろう。
完