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【ネット歯科大】歯周病の未知なる危険因子!?
歯周病とは、歯ぐきや歯を支える骨を失っていく病気です。
歯周病は、進行しやすい人と進行しにくい人がいるとわかっています。
歯周病に対する「感受性」という表現をすることもあります。たとえば歯周病への感受性が高い人では、しっかり歯をみがいていても進行が止められないケースもあります。
なぜ人によって歯周病の進行が異なるのでしょうか。
これについては、わかっている部分とわかっていない部分があります。
わかっている部分のひとつとして、歯周病には悪化させる因子が認められています。それも、ひとつだけではなく、たくさんの要素がかかわることが明らかになっています。
まずは細菌です。歯周病は細菌により引き起こされる感染症ですので、細菌を減らすことで歯周病の進行を抑えることができます。歯をよくみがき、歯間ブラシやデンタルフロスなどを用い、そして歯科医院でクリーニングをしてもらうことが当てはまります。
さらに歯周病を悪化させる因子として知られていることとして、喫煙やストレスが挙げられます。喫煙者では歯周病が明らかに進みやすくなります。また、仕事が忙しいなど大きなストレスがかかるタイミングで、歯ぐきが腫れやすくなることなどが知られています。
これらのわかっている要素が多く重なると、歯周病が進行しやすくなることが証明されています。その一方で、歯周病が特に進みやすい人の理由として、これらだけでは十分説明がつかないような場合もあります。
そこで新たな因子の候補として、遺伝子にも着目されています。研究が進められており、実際に特定の遺伝子配列によって、歯周病の進行が速いことも発表されています。
特定の遺伝子による影響という点では、歯周病の進行が速い家系が存在すると言い換えることもできます。家族内で歯周病の進行がみられるケースは臨床的にもよく認められますし、研究結果として証明されています。
しかし、歯周病を悪化させる因子が現時点ですべて明らかになっているかについては、はっきり言及できる人は誰もいません。
歯周病の進行や治療に対する反応が人によって大きく異なることは明らかですが、その理由になにがあるのかを正しくすべて指摘するのは難題です。複合的に要因が絡む病気ですので、全体の理解をますます難しいものにしています。
現時点で見つかっていない歯周病の危険因子が、将来的に明らかになることがあるかもしれません。歯周病対策が大きくかわり、成人の半数以上とされる歯周病の有病率を効果的に減らせる可能性があります。
神奈川歯科大学 青山典生