難問に シカクいアタマは 立ち往生
コロナ騒動3年で電車の吊るし広告の数がめっきり減る中で、学習塾日能研の「シカクいアタマをマルクする」は1人気を吐いている。首都圏の私立中学の入試問題の中から、ユニークな問題を選が選ばれていて、いつも「えー、これを小学生が答えられるの」と思ってしまう。頭の柔らかい小学生には分かっても、頭の硬くなった大人には難しい問題。それが、キャッチフレーズの「シカクいアタマを・・」につながっているのだろう。
通勤電車で、この広告の読める位置に立つと、ついつい正解を求めて考えてしまった。乗り換え駅までに正解に到達しないと、帰りの電車では、わざわざ広告の前に立って続きを考えた。あれは、少なくとも20年以上前のことになるが、日能研の広告はいつからあるのだろう。調べて、ビックリ、1986年から続いているという。丁度、上の子が中学受験の勉強を始めた頃だ。その子が、今や50近くである。
スカイツリーが完成した2012年には、すかさずスカイツリーを題材にした問題が紹介されていた。スマホで撮ったスカイツリーと花火が1枚に収まった写真を見せて、その撮影場所を問うというもの。タイミングが良かったことに加えて、頭を絞らされたこともあって印象に残っている。今日乗った電車には、「高齢者が仕事をしている理由」を考えさせる問題が紹介されていた。
日本が抱える社会問題の1つである高齢化を、私立中学が入試の問題としたのは、時宜を得ていると言えなくもない。しかし、これから夢に向かって羽ばたこうとする子供達に、あえてこんな問題を出さなくても。羽ばく空には暗雲即ち、高齢者の塊が垂れ込めているので注意をするようにとでも言いたいのか。年金、健康保険と若い世代に負担をお願いし、肩身の狭い思いをしている高齢者としては、せめて小学生には老人を負担に感じてほしくない。
そんな風に考えるのはアタマがシカクい高齢者なるが故か。
(2024.09.14)