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エアコンに 頼りっきりの ノー天気

 冬だと云うのに電力不足が取り沙汰されている。電力不足は夏の甲子園が開催される酷暑の頃だったはずなのに、冬場も不足が心配されるようになった。この変化の背景には、東北大震災の後に休止した原子力発電所の大部分が未だに稼働していないために、供給能力そのものが低下していることがベースにある。

 加えて、冷房と暖房の両方を1台でこなすインバーター式のエアコンが普及したことが影響していると思われる。暑い夏にだけ使われていたクーラーが、インバーターの開発によって冬の暖房にも使えるエアコンに変容した。技術進歩によって冷房時の消費電力も大幅に減ったことでクーラーの買い替えが進み、その結果として暖房に占めるエアコンのウエイトが上昇した。こうして寒さが厳しくなるとともに家庭における電力消費量が増えることになり、冬場の電力不足に繋がった。

 自分の人生を振り返ってみると、子供の頃には炭を使う火鉢と炬燵で暖を取っていたが、やがて家にガスストーブや石油ストーブがやってきて火鉢と炬燵は姿を消した。そして10数年前に、インバーターエアコンが居間に据え付けられて、ストーブの影は薄くなった。
 ここ数年とみに寒さが身に沁みるようになった身にとって、冬場はエアコンさま様である。朝起きてスイッチを入れればものの10っ分程度で部屋はポカポカになる。炭をおこす必要もないし、ストーブの灯油が空になる心配もしなくて良い。

 しかし、便利さと快適さを喜んでばかりではいられないような気がする。電力供給が不安定になったり、停電が起きたりすれば、たちどころに寒さに震えることになる。また、50年近く前に起きた石油禁輸のような事態が起来たら、火力発電に電力の多くを依存するの我が国は逃げ道がない。暖房をエアコンのみに頼っている身としては、電力不足に真剣に向き合うべきではないか。
 コロナウイルス蔓延は治まりそうにないし、厳しい寒さは続くしで、ネガティヴ思考に陥ったかな。明るい気持ちになれる春が待ち遠しい。

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