波紋 【詩】

水面に 一つ滴が落とされた
波紋ができた

そのゆるりとした円弧は
水の中へ溶け込んでゆく

静かに
ただ静かに

溶け込んでゆく

いつしかそれは消え
沈黙にも似たその水面は
以前と全く変わらぬ顔をしている

けれど確かに
水は
一滴 増している

波紋の広がるその一時が
私は好きだ

だから消えてしまうその前に
もう一度 涙を落とす
そしてまた 円弧はできる

それは 時を超え
空間を超え

静かに ただ静かに
溶け込んでゆく

再び
波紋はつくられた


はじめまして。見に来ていただき、ありがとうございます! 「雨の詩(うた)」https://note.com/nepa88/n/n422be1298f3e を絵本にしたいと思っています。 いただいたサポートは大切に制作活動に使わせていただきます☆