のら庭っこ便り#006 2023 5/21〜6/4 壱 春の嵐
春の嵐。
といえば、ヘッセの本を思い出すけど、春は本当に嵐でした。
めまぐるしく、記録の整理が追いつきません。
草整理が畑仕事の半分以上となる時期。
時計のない世界で、黙々と手を動かします。
畑で手を動かすほどに、言葉は蒸発していく。
整理されているのは、わたしの内側の世界なのかもしれません。
最後に残った印象と、写真を並べてみました。
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みつめるほどに、気づかなかった存在が見えてくる「虫の城」コンフリー。
忘れた頃に、芽を出すサトイモ。信じてたよ、ずっと。
大慌てで収穫した自然生えのゴボウ。折れずに抜けた。
老いに身を委ねる、スナップエンドウ。まだ蔓の先は若々しい。
株の充実を待たず、実をつけ出すピーマン。
命尽きてもなお、去年の名残をぶら下げる、ナス。
先鋒の蔓を失っても、新たな蔓を伸ばすウチュウイモ。
背が低いながらも、充実した実をつけた、ソラマメ。
病に侵され、大きくなる前に退場したタマネギ。
つるありインゲンの育ちに追いついてきた、トウモロコシ。
消えたものもあるけど、芽を出したものは順調な、ラッカセイ。
コブのような新芽をふくらませる、ルバーブ。
便りを書く前に、消えてしまったゴーヤの苗。
腐ったと諦めていたなか、復活を果たしたハヤトウリ。
1ヶ月があっという間。
ソラマメは品種なのか大きさの問題なのか、鞘がずっと上向きのまま真っ黒になってしまったので、うっかり収穫時期を逃してしまった模様。
こっそり、ベッドを開けて覗いてみました。
外側には、アブラムシが集まっていても、中のベッドは快適そう。
なんというシェルター具合。
「姫…!」
と思わずいばら姫の王子な気分が勝手に湧き上がります。
熟し切ったものも、ふっくらツヤツヤ。
うらやましいほど健康そのものの佇まいに、今すぐ種まきしたい気分にかられてしまいました。
写真は、5/28ののら庭の様子。
今は奥の春菊も枯れ始め、ほとんど全てのニゲラが種を包んだ風船のような形です。
本当に、ほかのマガジンでは「もういいかげんにしてほしい」くらい、言葉が走り出すのに、のら庭の世界にどっぷり浸かっていると、言葉が消えてしまいます。
言葉が好きなのに、言葉がなくなるのもまた、好きな時間です。
次回は、虫たちの様子を並べたいと思います。
前回の、のら庭の様子
自分の書く文章をきっかけに、あらゆる物や事と交換できる道具が動くのって、なんでこんなに感動するのだろう。その数字より、そのこと自体に、心が震えます。