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短編小説

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便所 2088

便所 2088

西暦2088年。科学は飛躍的な進化を果たし、人間はあらゆる無駄を省くことに成功した。その中でも、独自の進化を遂げたものがある。

便所である。

便所といえば、ただ用を足すためだけのもの。昔はそういう認識だった。使われていた技術も、音姫(恥ずかしさを和らげる水音)やウォシュレット(自動ケツ洗い機)くらいのものだ。しかし、時代は変わった。今や便所とは、アミューズメント施設なのだ。
その種類は様々だ。

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DEEP

DEEP

僕が指名された。国からだ。断ったら命はない。まぁ、断る理由もないけど。

お姫様は眠っている。人形のような顔だ。サラサラの黒髪が、真っ直ぐ腰の辺りまで伸びている。全身黒のゴシックドレス。角度によっては紫色にも見えた。首元やスカートにフリルが付いている。軽く指を絡めた両手が、お腹の辺りに置かれている。ダイヤモンドの指輪だろうか、右手の薬指に光っている。可愛さと高貴さが同居していた。
透明な箱。材質は

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マッドボール

マッドボール

俺の名前はディック・デーカー。金玉の置き場所を探している。仲間には「そんなものはねぇ」と鼻で笑われたが、俺はあると信じてる。その仲間が全員殺された。フグリ一味の奴らに。復讐。俺のやる事リストに追加された。俺は愛車のタマーキン00(ダブルゼロ)に乗り込むと、荒野を駆けた。

198X年。ギョク兵器戦争が勃発。世界は荒廃し、人類はシェルターに逃げ込むことが出来た少数だけになっていた。俺の街、マタンキも

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おちんぽナイト

俺の名前はおちんぽナイト。チンポ以外が鎧で覆われている。呪いのせいで。誰に呪われたかはわからない。俺は元々農民だった。妻子を養うため、毎日真面目に働いていた。だが、呪われたことで俺の妻は子供を連れて出ていった。人様に顔向け出来ないっていう理由で。しょうがない。もし妻が同じ呪いにかかったら、守ってやれる自信がない。いや、この呪いは力が手に入る。守るのは陰部だけでいいな。

「あ、あなたは、おちんぽナ

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