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おちんぽナイト 第二章

あれからどれくらい経っただろうか。 だいぶ長いこと呪い界にいる。チンポ以外が鎧で覆われていたあの頃。……懐かしい。いや、思い出に浸っている場合ではない。俺は忙しいのだ。 ここでは全員、スーツを着ている。書類も多い。とにかくやる事がある。しかし、我々は疲れるという事を知らないので、無限に動ける。使命を持ってやっている。 俺に呪いをかけたノロイ・マスのことだが、あれは偽名だ。というか、我々は現世の人間と接触する際、必ずこの名前を名乗る。必ずしも接触しないとダメというわけではないが

    • ホログラム探偵 化視華マヤ 《サイボーグ・リキシ》

      ウチの事務所も名前が知られるようになり、欧打くんの噂も広まっていった。青狐狸の探偵事務所にヤバい奴がいるってね。私の場合も、探偵がホログラムっていう物珍しさもあって、メディア取材の打診が結構あった。全て断ってる。業務に支障が出るから。欧打くんの場合は、色んなところからスカウトの声がかかったけど、私と同じく全て断った。忠誠心が高くて恐れ入るわ。私が欧打くんの立場だったら、この事務所に残ってないかもしれない。スカウトの中には、相撲関係者もいた。これも断ったけど、興行に一回だけ出て

      • ホログラム探偵 化視華マヤ 依頼2【メガネを取り戻せ!】

        2078年4月1日。世間では新入社員が期待と不安で胸を膨らませてる時期。私の事務所には関係のない話だけど。人員が足りてる。能力が足りてる。全員有能。と言いたいところだけど、シエンくんは一度失態を犯している。 「そこで活躍したのが欧打くんなのよね」 「あのときはいい運動になったぜ。なぁシエン、おめぇには感謝してるんだぜ?俺に活躍の場を与えてくれたんだからよ」 「……あぁ。助かったよ。ありがとう」 「ちっ、照れくせぇな」 2076年10月22日。その日は休日だった。私たちの休

        • 便所 2088

          西暦2088年。科学は飛躍的な進化を果たし、人間はあらゆる無駄を省くことに成功した。その中でも、独自の進化を遂げたものがある。 便所である。 便所といえば、ただ用を足すためだけのもの。昔はそういう認識だった。使われていた技術も、音姫(恥ずかしさを和らげる水音)やウォシュレット(自動ケツ洗い機)くらいのものだ。しかし、時代は変わった。今や便所とは、アミューズメント施設なのだ。 その種類は様々だ。いくつか紹介しよう。 まずは一つ目。入室した瞬間、AI生成された爆音クラブミュ

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        • おちんぽナイト
          2本
        • ホログラム探偵 化視華マヤ
          5本
        • ショートショート
          1本
        • 短編小説
          4本
        • エッセイ
          1本

        記事

          ホログラム探偵 化視華マヤ 依頼1【金玉破裂アート製作者は誰だ】

          2074年8月8日。あれはちょうど、ねろう祭りが終わった次の日。蒸し暑い日だった。飛咲市の気温は45度に達していた。近くのレーボ(冷却膜浸透ボックス)には行列が出来ていたけど、一瞬で終わるから気にならなかった。普通の人間だった頃はよく利用してたわ。あぁ、ホログラム探偵というタイトルなのにそうじゃないときの話をするのは不本意。でもさ、仕方ないじゃない。その前の出来事なんだから。というメタな話は置いといて、ホログラムになって良かったと思える理由のひとつに、寒暖を気にしなくていいと

          ホログラム探偵 化視華マヤ 依頼1【金玉破裂アート製作者は誰だ】

          ホログラム探偵 化視華マヤ 《採用理由》

          化視華マヤ。37歳。B型。162cm。日魂人。青狐狸県の飛咲市で産まれる。え〜となんだかんだあって、化視華探偵事務所を2071年10月に設立。化視華探偵事務所は飛咲市のネオンアークビル3階にあり、1階はコンビニ。2階はマッサージ店。4階は歯医者。5階はスポーツジムとなっている。ビルの名前はオーナーの神刃 因九の意向により、AIで決められた。8月1日から8月7日は祭りの期間であり、ドテストリートはねろう祭り一色となるため、周囲の協力が不可欠である。2075年8月2日、化視華マヤ

          ホログラム探偵 化視華マヤ 《採用理由》

          ホログラム探偵 化視華マヤ -プロローグ-

          私の名前は化視華マヤ。探偵をしている。ホログラムだ。体がホログラムなの。なぜかって?事故って体の機能を失ったから。私が申請したんだ。ドナー登録と一緒の希望でね。 3年前の2075年8月2日。防げない事故だった。安全運転で走ってた。だけど、アウトロー集団《トネハスラカ》の暴走車が、私が運転するミニクパーの土手っ腹に突っ込んできた。 科学の発達で事故が減ったって?センサーを故意に切ってる連中には関係のない話ね。だけど、そんなことは普通ならしない。事故りたくないからね。トネハはこ

          ホログラム探偵 化視華マヤ -プロローグ-

          オーバーソシャク/ダイナマイトエンゲを読んで

          作品の感想に行く前に、まずは「鳥居王国第1回玉露文大会」の説明を軽くしなければならないのと、個人名が出てくることをご了承頂きたい。 今回の感想は、この大会のために書いたものだ。 そもそも玉露文とは、感想文のことである。この大会の主催者、鳥居ぴぴき氏が考えた造語である。 意味がわからない。 が、これが不思議と馴染んでくる。というか、玉露文の方が良い気さえしてくる。なんだか高貴な感じもするし。バーバリアン渋谷氏との配信で言っていたが「玉露を淹れる、という表現も考えた」と言って

          オーバーソシャク/ダイナマイトエンゲを読んで

          DEEP

          僕が指名された。国からだ。断ったら命はない。まぁ、断る理由もないけど。 お姫様は眠っている。人形のような顔だ。サラサラの黒髪が、真っ直ぐ腰の辺りまで伸びている。全身黒のゴシックドレス。角度によっては紫色にも見えた。首元やスカートにフリルが付いている。軽く指を絡めた両手が、お腹の辺りに置かれている。ダイヤモンドの指輪だろうか、右手の薬指に光っている。可愛さと高貴さが同居していた。 透明な箱。材質はわからないけど、その中で眠っている。ここは森の中。異様な光景だ。でも光が差し込ん

          マッドボール

          俺の名前はディック・デーカー。金玉の置き場所を探している。仲間には「そんなものはねぇ」と鼻で笑われたが、俺はあると信じてる。その仲間が全員殺された。フグリ一味の奴らに。復讐。俺のやる事リストに追加された。俺は愛車のタマーキン00(ダブルゼロ)に乗り込むと、荒野を駆けた。 198X年。ギョク兵器戦争が勃発。世界は荒廃し、人類はシェルターに逃げ込むことが出来た少数だけになっていた。俺の街、マタンキも例外ではない。 ちなみに、ギョク兵器は金色の2つの球が連なった高威力の爆弾だ。球

          連れしょん

          【サラリーマン】 「ふぅ……ところで、どうなってるあのプロジェクト」 「はい、上手くいきそうです」 「そうか。おっ、お前デカいな」 「先輩には負けますって!」 【店主と用心棒】 「ふぅ……店は繁盛しておるのか?」 「へい、旦那のおかげでさぁ」 「そうかい。おいおい、あんたの魔羅、ずいぶんとでけぇじゃねぇか」 「何をおっしゃる、旦那には勝てませんぜ」 【越後屋と悪代官】 「ふぅ……ときにお主よ、あの件はどうなっておる」 「万事、整えてあります」 「うむ。ほう、お主の魔

          おちんぽナイト

          俺の名前はおちんぽナイト。チンポ以外が鎧で覆われている。呪いのせいで。誰に呪われたかはわからない。俺は元々農民だった。妻子を養うため、毎日真面目に働いていた。だが、呪われたことで俺の妻は子供を連れて出ていった。人様に顔向け出来ないっていう理由で。しょうがない。もし妻が同じ呪いにかかったら、守ってやれる自信がない。いや、この呪いは力が手に入る。守るのは陰部だけでいいな。 「あ、あなたは、おちんぽナイト様……お目にかかれて光栄です。よい一日を」 何が光栄だ。チンポ以外が鎧に覆

          おちんぽナイト