
コーチャビリティというパーソナリティデータについて考える
(LinkedIn Newsletterの再掲)
パーソナリティデータを、もっと身近に。
僕は、その朝もいつものようにコーヒーを淹れていた。豆を挽く音が部屋に響き、深いアロマが漂う中で、パーソナリティデータのことを考えていた。それは僕にとって、新しい可能性を切り開く鍵のような存在だった。まるで、良質なコーヒー豆が秘めている無限の味わいを引き出すための、精密な抽出器具のように。
パーソナリティデータ。この言葉に出会ったとき、僕の中で何かが確かな手応えとともに動いた。人の持つ無限の可能性を解き放つ武器になる。そう直感的に感じたのだ。
今、僕の机の上には、いつものコーヒーカップとノートパソコンが並んでいる。画面には数字の羅列が映し出されているけれど、それは単なるデータではない。そこには、誰もが持っている可能性という宝石が、静かに輝きを放っているんだ。まるで、朝日に照らされたコーヒーの表面が、千の光を反射するように。
例えば、チームを作る場面。多様な個性を持つメンバーたちの特性を理解し、より最適な組み合わせを見出すことができる。また、自己理解を深めることで、より効果的なコミュニケーションや成長の方向性を見出すこともできる。
プライベートでも、パーソナリティデータは新しい可能性を開いてくれる。趣味のサークルで相性の良いメンバーと出会ったり、パートナーとの関係をより深く理解したり。データは、人と人との間に新しい架け橋を作ってくれるんだ。
さあ、パーソナリティデータを、もっと身近に。
Coachabilityに関する研究
パーソナリティがパフォーマンスに与える影響についてはこれまでも様々な研究が行われている。Feng et al. の研究[1]では、Big Five性格特性が研究パフォーマンスに与える影響を調査し、誠実性が最も強い正の影響を示す一方、社会的属性(外向性と協調性)が負の影響を与えることが明らかになった。PubMedの54件のメタ分析をまとめた研究[2]では、誠実性が最も強いパフォーマンスとの関連(ρ = 0.19)を示し、他の特性も同程度の影響力を持つことが分かった。また、Delimaの研究[3]では、誠実性、外向性、開放性、協調性が従業員の職務パフォーマンスに正の影響を与え、神経症傾向が負の影響を与えることを示した。これらの研究は、パーソナリティ特性、なかでも「誠実性」が様々な職種や学術分野におけるパフォーマンスと強い関連を持つことを一貫して示している。
私はパフォーマンスに影響するドライバとしてcoachabilityに注目している。個人の成長には様々んフィードバックが必要であり、そのフィードバックに対してどれだけオープンに受け入れようとするかという資質は、個人のパフォーマンス改善や成長にとって大事だからである。近年、このcoachabilityを資質の観点から可視化しようとする試みが進んでいる。
例えば、Ciuchta et al. (2018)は、起業家のcoachabilityを測定するための9項目からなる尺度を開発した[4]。この尺度は、フィードバックへのアクセシビリティ、学習意欲、起業へのコミットメントなどを評価する。また、Kuratko et al. (2021)の研究では、起業家のcoachabilityがスタートアップの成長や投資意欲と正の相関があることが示されている[4]。
さらに、Martin et al. (2020)は、coachabilityを構成する要素として、成長志向のマインドセット、フィードバックへの開放性、新しいスキルを学ぶ意欲などを挙げている[5]。これらの研究は、coachabilityを客観的に評価する方法を提供し、個人の成長ポテンシャルを理解する上で重要な指標としている。
このようなcoachabilityデータは、スタートアップ経営者の育成や採用、さらには様々な分野での人材発掘に活用されている。例えば、Berger (2013)の研究では、コーチの性格特性とコーチングの成功との関連性が調査されており、coachabilityが高い人材を見出すことの重要性が示唆されている[6]。また、Holm & Kamryd (2024)の研究では、ビジネスコーチングがスタートアップの投資魅力度向上に与える影響が検討されている[7]。この研究では、コーチングを通じて起業家のプレゼンテーションスキルや戦略的コミュニケーション能力が向上し、それが投資家の関心を引き付けることにつながるとしている。さらに、Martin et al. (2020)は、組織がcoachabilityを採用プロセスの重要な要素として取り入れることを提案している[5]。これにより、継続的な学習と成長に適した人材を見出し、組織全体の適応力を高めることができるとしている。
Coachabilityについて重要なのは、これが固定的なものではなく、変化し得るという点である。Martin et al. (2020)の研究では、coachabilityを向上させるための具体的な方策が提案されている[5]。例えば、フィードバックを積極的に求める姿勢を育てることや、自己認識を高めるトレーニングを行うことなどが挙げられている。
このように、coachabilityは個人の成長や組織の成功に重要な役割を果たすと考えられる。今後は、coachabilityを育成するためのプログラムや、それを組織文化に組み込む方法についての研究がさらに進むことが期待される。個人と組織の両方が、coachabilityの重要性を認識し、その向上に努めることで、より適応力の高い、イノベーションを起こす職場を作っていけると信じている。
(参考文献)
[1] https://bit.ly/4aXXzHz
(注1)本コンテンツは、個人の見解と表現であり、所属する会社とは一切関係ありません。
(注2)本コンテンツは一部生成AIを使っているため、誤った情報が入っている場合があります。気づかれた方はご一報いただけるとありがたいです。