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002 見る、書く、読む、慣れる

 注音符号をマスターしたのでこのまま文法学習を始めてもよいが、その前にもっと多くの漢字の発音に慣れる必要があると思った。とりあえず慌てて文法に手を付けるのはあまり得策でない。後々の習得効率まで考えて取り組むという話。

 注音符号を覚えたら、声調の練習も兼ねてたくさんの漢字を読むに尽きる。初心者だから書きながら読むのがより良いのは言うまでもない。目で見て、手で書いて、口で読んで、耳で聴く。これは外国語学習の基本中の基本。やはり直に身体に叩き込むのが手っ取り早い。そこに理屈なんぞない。とにかく慣れる。
 華語は繁体字を使うので、見たことがあっても書いたことがない漢字も多いし、日本語では使わない漢字もある。幸い日本人は書いたことがない漢字でも見ればだいたいの書き方が分かるし、全体のバランスを意識して書く練習も小学校で飽きるほどやっている。「へん」や「つくり」の意味だって分かるのだ。欧米人よりもそういう意味では圧倒的に有利だ。その利点を活かさない手はない。

 ということで早速始めるのだが、その際のツールとしてまずノートが要る。普通のノートでもよいが、私は「國語作業簿」の6×10を使っている。台湾の小学生が使っているノートで、漢字の右横に注音を振ることができる。日本語で言えば漢字に読み仮名を振るようなもの。マスの大きさも最適で使いやすいし、レトロな外観がまたよい。
 そして、取り組むためのネタはオンライン注音講座の最終日にもらった課題文を使う。同時受講していた他の2人は自分と違う課題文でそれらも先生がアップしてくれたので、手元には3つの課題文がある。長さも内容も初心者にはうってつけのレベルだ。

 一文書き写して、注音振って、読む。その繰り返し。課題文1つ終わったら、全文通し読み。そして次の課題文へ、という流れ。これを3セット繰り返した。
 その際に決めたことがある。1日30分勝負。決して急ぐ必要はないし、むしろ丁寧に書くことを心掛けたが、こういう単純作業は時間で区切る方がよい。時間内は一心不乱に取り組んで、時間が来たら今書いている一文でやめる。慣れてくれば作業スピードも上がる。2セット目は1セット目よりも速くなるし、3セット目はさらに速くなる。見なくても書ける部分も多くなる。このようにしていろんな漢字とその注音に慣れるきっかけを作った。

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