ロラン・バルト 『神話作用』 : 「神話」とは、肯定的に思える〈まやかし〉
書評:ロラン・バルト『神話作用』(現代思潮新社)
かつて「難解」の代名詞でもあった、フランス現代思想。その代表選手の一人であるロラン・バルトに初めて挑んだのは、3年前に読んだ『エクリチュールの零度』(『零度のエクリチュール』の訳題もあり)においてであった。
なぜこの本を選んだのかと言えば、まず有名だったというのと、たぶん、ロラン・バルトの第1著作だと知っていたからである。
で、その結果については同書のレビューにも書いたとおりで、まったく歯が立たなかった。「こりゃあ、どうし