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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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#信仰

ロラン・バルト 『神話作用』 : 「神話」とは、肯定的に思える〈まやかし〉

書評:ロラン・バルト『神話作用』(現代思潮新社) かつて「難解」の代名詞でもあった、フラ…

年間読書人
1か月前
22

フェデリコ・フェリーニ監督 『カビリアの夜』 : 「人間の善性」への信仰

映画評:フェデリコ・フェリーニ監督『カビリアの夜』(1957年・イタリア映画) フェリーニの…

年間読書人
1か月前
22

円城塔 『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』 : ブッダと 女人成仏と トランスジェン…

書評:円城塔『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』(文藝春秋) 今年読んだ本では、一番面白か…

年間読書人
1か月前
19

北村紗衣の代表的な盟友 : 清水晶子 『フェミニズムってなんですか?』

書評:清水晶子『フェミニズムってなんですか?』(集英社新書・2022年) フェミニズムを専門…

年間読書人
2か月前
36

レオ・マッケリー監督 『邂逅』 : 信仰的美意識における愛の限界

映画評:レオ・マッケリー監督『邂逅』(1939年・アメリカ映画) 戦前の「絵に描いたようなメ…

年間読書人
2か月前
18

小川哲 『スメラミシング』 : これは私たち自身の戯画である。

書評:小川哲『スメラミシング』(河出書房新社) 本書は、「宗教」をテーマにした短編集だが…

年間読書人
4か月前
25

イングマール・ベルイマン監督 『第七の封印』 : 難解ではない。人間を描いただけである。

映画評:イングマール・ベルイマン監督『第七の封印』(1957年・スウェーデン映画) ベルイマンが「難解な作風の映画作家」だという印象だけは、私にもあった。そのような風聞を何度も耳にしていたからであろう。 私の場合、本作がベルイマン・デビューとなるわけなのだが、ベルイマンの「難解」というイメージの一端を担ったのが、他ならない本作『第七の封印』なのである。 私としては、ベルイマンを初めて見るのであれば、どうせなら、 (1)ベルイマンらしく「難解な作品」。 (2)代表作のなか

カール・テオドア・ドライヤー監督 『裁かるるジャンヌ』 : 「神と戦う」映画作家

映画評:カール・テオドア・ドライヤー監督『裁かるるジャンヌ』(1928年・フランス映画) こ…

年間読書人
6か月前
16

淀川長治 『映画とともにいつまでも』 : 愛を語る者は、 愛を否定する者をも愛せるか…

書評:淀川長治『映画とともにいつまでも』(新日本出版社) 本書は、1992年に刊行されたもの…

年間読書人
6か月前
26

ジョルジョ・アガンベン 『瀆神』 : 「瀆神」と「瀆聖」の違い

書評:ジョルジョ・アガンベン『瀆神』(月曜社) 難解な書物である。哲学書なのだから、それ…

年間読書人
9か月前
12

マルコ・ベロッキオ監督 『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』 : 何が…

映画評:マルコ・ベロッキオ監督『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』(2023年、…

年間読書人
9か月前
13

ショーン・ダーキン監督 『アイアンクロー』 : 「家族愛と強くあること」の呪縛

映画評:ショーン・ダーキン監督『アイアンクロー』(2023年・アメリカ映画) 1960年代から70…

年間読書人
10か月前
11

ジュリアン・デュヴィヴィエ監督 『ゴルゴダの丘』 : ユダへの同情と フランス・カト…

映画評:ジュリアン・デュヴィヴィエ監督『ゴルゴダの丘』(1935年・フランス映画) デュヴィ…

年間読書人
10か月前
11

ロベール・ブレッソン 『シネマトグラフ覚書 映画監督のノート』 : 禁欲者の 怖れと傲慢

書評:ロベール・ブレッソン『シネマトグラフ覚書 映画監督のノート』(筑摩書房) フランス文学者で映画評論家、と言うよりも今では芥川賞受賞のベテラン小説家と言った方が通りが良いかもしれない、松浦寿輝の翻訳になる、フランスの映画作家ロベール・ブレッソンの、映画創作における「覚書」である。 長くて4行ほどの短文集だ。 本書の構成は、ブレッソンの良き理解者であったフランスのノーベル文学賞作家ル・クレジオが寄せた「序言」のあと、本文としてブレッソンの「覚書」が、「1950-1958