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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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#信仰

小川哲 『スメラミシング』 : これは私たち自身の戯画である。

書評:小川哲『スメラミシング』(河出書房新社) 本書は、「宗教」をテーマにした短編集だが…

年間読書人
1か月前
25

イングマール・ベルイマン監督 『第七の封印』 : 難解ではない。人間を描いただけで…

映画評:イングマール・ベルイマン監督『第七の封印』(1957年・スウェーデン映画) ベルイマ…

年間読書人
2か月前
12

カール・テオドア・ドライヤー監督 『裁かるるジャンヌ』 : 「神と戦う」映画作家

映画評:カール・テオドア・ドライヤー監督『裁かるるジャンヌ』(1928年・フランス映画) こ…

年間読書人
3か月前
16

淀川長治 『映画とともにいつまでも』 : 愛を語る者は、 愛を否定する者をも愛せるか…

書評:淀川長治『映画とともにいつまでも』(新日本出版社) 本書は、1992年に刊行されたもの…

年間読書人
3か月前
26

ジョルジョ・アガンベン 『瀆神』 : 「瀆神」と「瀆聖」の違い

書評:ジョルジョ・アガンベン『瀆神』(月曜社) 難解な書物である。哲学書なのだから、それ…

年間読書人
6か月前
12

マルコ・ベロッキオ監督 『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』 : 何が…

映画評:マルコ・ベロッキオ監督『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』(2023年、…

年間読書人
6か月前
13

ショーン・ダーキン監督 『アイアンクロー』 : 「家族愛と強くあること」の呪縛

映画評:ショーン・ダーキン監督『アイアンクロー』(2023年・アメリカ映画) 1960年代から70年にかけて、必殺技「アイアンクロー(鉄の爪)」をひっ提げて、日本においても、若きジャイアント馬場やアントニオ猪木らと死闘を繰り広げたアメリカ人プロレスラー、フリッツ・フォン・エリック。 本作は、「呪われた一家」とまで呼ばれた、彼とその家族たちの波瀾の人生を、次男ケビンの視点から描いた、文字どおりの「衝撃作」である。 フリッツは、信仰心厚い妻との間に、6人の息子に恵まれた。ただ

ジュリアン・デュヴィヴィエ監督 『ゴルゴダの丘』 : ユダへの同情と フランス・カト…

映画評:ジュリアン・デュヴィヴィエ監督『ゴルゴダの丘』(1935年・フランス映画) デュヴィ…

年間読書人
7か月前
9

ロベール・ブレッソン 『シネマトグラフ覚書 映画監督のノート』 : 禁欲者の 怖れと…

書評:ロベール・ブレッソン『シネマトグラフ覚書 映画監督のノート』(筑摩書房) フランス…

年間読書人
9か月前
6

伊藤潤一郎 『「誰でもよいあなた」へ 投壜通信』 : 今どきの柔な「哲学書」

書評:伊藤潤一郎『「誰でもよいあなた」へ 投壜通信』(講談社) 本書の著者は、フランスの…

年間読書人
9か月前
17

ロベール・ブレッソン監督 『田舎司祭の日記』 : 神の沈黙と受肉

映画評:ロベール・ブレッソン監督『田舎司祭の日記』(1950年・フランス映画) 『ジャンヌ・…

年間読書人
9か月前
14

ロベール・ブレッソン監督 『ジャンヌ・ダルク裁判』 : 禁欲的な「信仰」において

映画評:ロベール・ブレッソン監督『ジャンヌ・ダルク裁判』(1962年・フランス映画) 私は、…

年間読書人
10か月前
18

フェデリコ・フェリーニ監督 『道』 : 自覚なき「偽善」の時代に

映画評:フェデリコ・フェリーニ監督『道』(1954年・イタリア映画) この映画を観て、「感動…

年間読書人
10か月前
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カール・ラーナー 『現代に生きるキリスト教』 : 「現世」をも 変えていく力

書評:カール・ラーナー『現代に生きるキリスト教』(エンデルレ書店・1965年刊) カール・ラーナーと言えば、「第2バチカン公会議」の神学顧問として、同会議を主導したリベラルなカトリック神学者として知られる人である。 「Wikipedia」によると、次のようになる。 今回取り上げるのは、もちろん(1)で、翻訳刊行年の1965年とは、1962年から1965年まで開催された「第2バチカン公会議」の終了した年である。 日本でラーナーを注目させることになった「第2バチカン公会議」