ロベール・ブレッソン 『シネマトグラフ覚書 映画監督のノート』 : 禁欲者の 怖れと傲慢
書評:ロベール・ブレッソン『シネマトグラフ覚書 映画監督のノート』(筑摩書房)
フランス文学者で映画評論家、と言うよりも今では芥川賞受賞のベテラン小説家と言った方が通りが良いかもしれない、松浦寿輝の翻訳になる、フランスの映画作家ロベール・ブレッソンの、映画創作における「覚書」である。
長くて4行ほどの短文集だ。
本書の構成は、ブレッソンの良き理解者であったフランスのノーベル文学賞作家ル・クレジオが寄せた「序言」のあと、本文としてブレッソンの「覚書」が、「1950-1958