大谷弘 『道徳的に考えるとはどういうことか』 : 文学的には 「普通」はそう考える。
書評:大谷弘『道徳的に考えるとはどういうことか』(ちくま新書)
本書がどういう内容の本かというと、それはまさにタイトルどおりで、「道徳的に考えるとはどういうことか」ということを、現実に即して考えようとしたものである。
つまり、どこかに「道徳」という規範的な「正解」のようなものがあって、それに沿って(規則的に)考えるのが「道徳的に考える」ということなのではない、「そんな単純なことではない」し「そんなことで済まされるほど薄っぺらい話(問題)ではない」というようなことを、哲学研