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「音楽・アート・写真」関連のレビュー

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「音楽」「アート」「写真」などのレビューを紹介します。
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#書評

ネルノダイスキ 『ひょうひょう』 : 二次元オブジェの異様な世界

書評:ネルノダイスキ『ひょうひょう』(アタシ社) なんと評したら良いものか、なかなか悩ま…

年間読書人
4か月前
17

竹村和子 『フェミニズム』 : 真の「フェミニズム」を知るべし。

書評:竹村和子『フェミニズム』(岩波現代文庫) 「フェミニズム」という言葉だけなら、「誰…

年間読書人
4か月前
31

スーザン・ソンタグ 『ラディカルな意志のスタイルズ』 : 徹底的なものが面白い

書評:スーザン・ソンタグ『ラディカルな意志のスタイルズ[完全版]』(河出書房新社) 1974…

年間読書人
6か月前
24

大谷弘 『道徳的に考えるとはどういうことか』 : 文学的には 「普通」はそう考える。

書評:大谷弘『道徳的に考えるとはどういうことか』(ちくま新書) 本書がどういう内容の本か…

年間読書人
6か月前
18

吉田健一 「饗宴」ほか 「日本幻想文学集成16」 : 朗らかで自由で頑固だった、 酒好…

富士川義之編『日本幻想文学集成16 吉田健一 饗宴』(国書刊行会) 吉田健一を初めて読んだ…

年間読書人
6か月前
19

植草甚一 『映画はどんどん新しくなってゆく』 : 世論もどんどん変わってゆく

書評:植草甚一『映画はどんどん新しくなってゆく』(植草甚一スクラップ・ブック16、晶文社)…

年間読書人
6か月前
21

コマツシンヤ 『8月のソーダ水』 : 頭のなかに収められた「旅のアルバム」

書評:コマツシンヤ『8月のソーダ水』(太田出版) 私はコマツシンヤのファンである。だから、コマツの本は、絵本を含めてほとんど読んでいるのだが、その中で最も好きなのが、本書『8月のソーダ水』だ。 本書は、2013年の刊行で、その初刊時にたまたま書店で見かけ、表紙画に惹かれて買ったのだが、その内容は期待をはるかに上回るものであった。 それに本書はフルカラーなのだ。 ソーダ水を思わせる「水色」を基調した画面が本書いっぱいに展開しており、それでいて決して絵面が単調にならないとこ

藤本タツキ 短編集 『17−21』 『22−26』 : 作家自身のキャラクターのユニークさ

書評:藤本タツキ短編集『17−21』『22−26』(ジャンプコミックス・集英社) 「書評」として…

年間読書人
7か月前
31

アンドレ・バザン 『映画とは何か』 : 「映画のリアル」とは何か。

書評:アンドレ・バザン『映画とは何か』(岩波文庫・全二巻) アンドレ・バザンは、フランス…

年間読書人
7か月前
27

ジェイムズ・モナコ 『映画の教科書 どのように映画を読むか』 : モノリスに触れよ

書評:ジェイムズ・モナコ『映画の教科書 どのように映画を読むか』(フィルム・アート社) …

年間読書人
7か月前
9

川野芽生 『人形歌集 羽あるいは骨』 : 生と死と

書評:川野芽生『人形歌集  羽あるいは骨』(ステュディオ・パラボリカ) 本書は、と言うか…

年間読書人
8か月前
17

『淀川長治 映画ベスト100&ベストテン』 : 淀川長治が、テレビでは語れなかったこと…

書評:淀川長治『淀川長治 映画ベスト100&ベストテン』(河出文庫) 淀川長治と言えば、私が…

年間読書人
8か月前
27

蓮實重彦 『物語批判序説』 : みんなと同じで「空っぽ」が安心。

書評:蓮實重彦『物語批判序説』(講談社文芸文庫) 1985年刊行の、比較的初期に属する著作で…

年間読書人
8か月前
37

川野芽生 『かわいいピンクの竜になる』 : 「みにくい凡獣の価値観」に抗する。

書評:川野芽生『かわいいピンクの竜になる』(左右社) なかなか強烈なエッセイ集だ。やはり川野芽生は、本物の「作家」だと確信させるに足りるものが、ここにはハッキリと印されている。 何がすごいと言って、彼女の「私は可愛いに決まっているし、そんなこと、人からとやかく言われる(論評される)ことではない。私は私が好ましい思えるものを追求するだけなのだ」と言い切る、その覚悟と徹底性においてである。 つまり、世間並みに右顧左眄して「世間の顔色」を窺い、謙虚ぶって「ウケ」を狙いにいくよ