コマツシンヤ 『8月のソーダ水』 : 頭のなかに収められた「旅のアルバム」
書評:コマツシンヤ『8月のソーダ水』(太田出版)
私はコマツシンヤのファンである。だから、コマツの本は、絵本を含めてほとんど読んでいるのだが、その中で最も好きなのが、本書『8月のソーダ水』だ。
本書は、2013年の刊行で、その初刊時にたまたま書店で見かけ、表紙画に惹かれて買ったのだが、その内容は期待をはるかに上回るものであった。
それに本書はフルカラーなのだ。
ソーダ水を思わせる「水色」を基調した画面が本書いっぱいに展開しており、それでいて決して絵面が単調にならないとこ