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『やがて目覚めない朝が来る』

夜明け、それはまた希望であり絶望でもある。
おはようございます、寧々ねむいです。
こちら新たな日々が始まりまして、その生活に順応しようする副作用で鼻水が止まりません。

さて、今回のタイトルは私の人生の中で忘れられない本ランキングに堂々とランクインしているものになります。ご存知の方はいらっしゃいますでしょうか。

大島真寿美さんの『やがて目覚めない朝が来る』。この本を手に取ったのは紛れもなくタイトルに目を奪われたからであります。(軍曹?)
日頃から人の生き死にについて興味があるため、尚のこと手に取らなくてはと思い、レジへお連れしました。

驚くことに、この本は4Dです。(?)

今でも読了後の心地良さと薔薇の香りを含んだ柔らかな風が忘れられない、、晴れの日に読まれることを強くお勧めいたします。


p.129-130 愛

完全なる自己満足で引用させていただきます。

愛って難しいから、有加は、愛に応えたらだめなのよ、とミラさんは言った。愛してくれる人達みんなをがっかりさせてやればいいのよ。
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みんな年を取ったから、有加に自分が学んできたことを教えようとするでしょう。同じ失敗を繰り返さないように、って。愛する有加のためを思って。
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だけどね、有加。そんなものはいらないのよって思ってなさい。勝手なことして、失敗して、泣いて、のたうち回って、何やってんだろあたし、なんてばかなんだろ、って自分で自分にがっかりするくらいでちょうどいいのよ。
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そうやって好きなように生きたらいいわ。失敗したら、みんなはがっかりするでしょうけど、みんなをがっかりさせないために生きることは、ないのよ、有加。あなたはあなたの好きなように生きたらいいの。

『やがて目覚めない朝が来る』より  著:大島真寿美 さん


さいこう。何度読んでもだいすき。

この本は主に幼少期の『有加』の視点から周囲の人間関係について語られていきます。『ミラさん』は当時衣装デザイナーのアシスタントでした。


この文章を読んだ時、気づいたら泣いていて。
自分のことを肯定してもらえたような、救われたような、そんな気持ちで。

ああ、わたし、この本と生きていこう。


と、その時思いました。



皆さまの心に残る本は何でしょうか。
目覚めない朝を迎える、いつかその日までこの言葉たちを覚えていられたら、いいのになあ。


皆さまに幸あれ。おやすみなさい。






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