#26 デザインの学習:フィードバックを受ける機会は、大変だけど絶対に成長につながるんだ。と思った話。
「ブラボー!!👏」デザイナー夫が教える美大生のプレゼンと講評会が、どんどん楽しそうな雰囲気になっています。NY美大の春学期も後半戦、これまで教師やクラスメイトからフィードバックを受け、自らもクラスメイトを講評して刺激を与え合ってきた学生たちについて【デザイナーの妻】の感想をレポートします。
自宅で行われている、美大のオンライン授業。【デザイナーの妻】は、毎回その学期の後半になるとジワジワ出てくる「クラスの温度上昇」感が大好きです。デザイナー夫の授業をすべて聞いているわけではありませんが、漂い出てくる楽しい感じは、聞こえてくるやりとりでわかります。 「 フィードバックの機会」は学生たちをものすごく成長させている!そう思いました。
デザインを学ぶ過程では、積極的なフィードバックを受ける環境を持つということが、成長するためにとても大切なことです。その3つの理由については観察日記#21でレポートしています。
強いてでも与えられる フィードバックの機会
デザイナー夫のクラスを取る学生たちは、課題の制作や課題図書のプレゼンに追われています。【デザイナーの妻】自身が学生だった頃を考えると、デザイナー夫が学生に出す課題の量はけっこう多い方だと思います。(もし私が学生だったら、デザイナー夫のことを「鬼先生」と呼ぶかもしれない…いやいや、これは愛の課題です!)
課題の制作とプレゼンの準備を、他のクラスの課題もこなしながら毎週続けるのは大変です! さらに祝日で少し気が抜けてしまった、ネット回線のトラブルで思うように作業が進まない、オンライン授業特有の難しさでモチベーションを保つのが大変・・・など色々とチャレンジになる(挑戦と感じる)ことがあります。
それでも、こうして毎週の課題設定とプレゼン、そして講評会の機会が設けられていることは、強いてでもフィードバックを受ける場に身を置くことができ、学習者にとって良いことだと思います。学生同士が刺激を受け合い、先生からのコメントでさらにブラッシュアップできる点が見つかっていくからです。
学生同士の講評、先生からのフィードバックの様子
授業を聞いていると、学生1人のプレゼンに対して、指名された2人のクラスメイトが講評を述べているようです。その後、デザイナー夫がコメントをします。デザイナー夫は、学生の作品に対する評価を述べるだけではなく、取り組み方を褒めたり、リサーチの仕方やコンセプトについて学生に質問したりしています。
先生からの色々な質問に答えていくことで、そして時には答えられなくて困ったりすることで、意欲のある学生たちはどんどん成長していくのだと思います。答えられなかった質問で悩んだら、それはつまり成長痛。【デザイナーの妻】はたまたまそういう場面が聞こえたりすると心の中で「学生さん、めげないで〜!」と思わず応援してしまいます。
学生同士の講評は、というと・・・学生同士もお互い率直に感想を述べ合っています。「〇〇はすごくよかった!」とか、「これこれの場面よくわからなかったけど、もう一度見せてくれる?」などコメントし合っています。
ディスカッションに参加するのが得意な子とそうでない子がいるとしても、クラス全体の雰囲気として、学生たちは他の学生たちの作品を見て刺激を受けて楽しそうだったり、質問して学び合ったりして、とても良い時間だと感じます。
クラスの温度上昇と「成長」
クラスメイトにも先生にも慣れてきて、課題のペースもなんとか掴んでくる頃から、クラスの温度は上がってくるように思います。学生がクラスメイトの作品に「I’m excited! 」(すごい〜!!)と言って盛り上がったり、プレゼンの動画を見てみんながゲラゲラ笑ったりしています。
先生であるデザイナー夫は、プレゼンが終わった瞬間に「ブラボー!!」の一言が出たり、コメントし合う学生たちに「Great!」と声をかけたりして、まるでチアリーダーみたいです。やはり、生き生きとプレゼンをする学生や、数ヶ月かけて成長していく学生を見るのは嬉しいと思います。
課題を作り続ける体力がついたり、より良いデザインにするために向き合い続ける持久力が養われたり、他の学生が受けるフィードバックから学べたりするこの一学期は、やる気のある学生にとってはメキメキと成長する貴重な時間です。デザイナー夫もそんな学生から良い刺激を受けている気がします。
今週は特に、学生たちのプレゼンが盛り上がっている楽しい授業の様子を何度も目にしたので、「あ、そろそろ学生たちの成長がプレゼンやコメントに出てくる頃かな?」と思い、1ヶ月ちょっと残っている春学期を全力で応援したいと思います🌸
今回は美大での学びの環境について書きましたが、独学でデザインを学ぶ場合、フィードバックを受ける機会はどのように見つけられるでしょうか?いかに「美大での学び」のアドバンテージを「独学」に組み込むことができるか、デザイナー夫が説明した記事があります。良かったらご覧ください。
デザイナー観察日記#26 読んでくださってありがとうございました。