【LoL LCK】インタビュー翻訳「DRX BeryLの秘密」
以下のYoutubeのインタビュー動画を翻訳しました。
※韓国語のインタビュー動画が英訳されたものを日本語訳しています。
実際の言葉とは多少ニュアンスが異なる場合がございます。ご了承ください。
DRX BeryLの秘密:BeryLはどうやってWorldsを2回優勝した?
インタビュアー:Ashley Kang
インタビュイー:DRX BeryL選手
Ashley
こんにちは!
BeryL選手、また会うことができて嬉しいです。
まず始めに−いかがお過ごしですか?
BeryL
2022年のWorlds決勝戦が行われてから1ヶ月くらい経ったのではないかと思いますが、1ヶ月は短い時間のように感じられました。
休憩中でも仕事中でも、“1ヶ月”と言うと長く感じられますが、あっという間に過ぎます。
Ashley
そして2022年のWorldsは約1ヶ月続いたと思いますが、どちらの方がより短く感じられましたか?
Worldsの1ヶ月ですか?休暇の1ヶ月ですか?
BeryL
休暇の1ヶ月の方が短く感じられました。
Ashley
それは良い意味でですか?
BeryL
働いているときと休暇を比べた時…
休暇の方が確実に速く過ぎます。
Ashley
では、休暇中は何をしていましたか?
BeryL
いつもと変わらず、ゲームが大好きなのでいくつかのゲームをずっとやっていました。
Ashley
そして、あなたはTwitchで多くのStreamを行い、“LoL以外のゲーム”をたくさんしていましたね。
休暇中は何をプレイしていたのですか?
BeryL
個人的に面白いと思ったゲームや、他の人がプレイしているのを見て、彼らが楽しそうに遊んでいるゲームを普段プレイしています。
私の普段のゲーム選びの基準はこうです。
Ashley
BeryL選手はWorldsの優勝スキンとしてアッシュを選び、アッシュのスキンを崩壊3rdのあなたの好きなキャラクターであるエリシアに似せるように頼んだと聞きました。
BeryL
エリシアとアッシュはどちらも弓を使います。
つまり−私の知る限りでは、Riot Gamesは元のチャンピオンのコンセプトを壊さないようにスキンを作ります。
例えば、ダリウスは斧を使用します。したがってどのダリウスのスキンでも他の武器ではなく斧を使わなければなりません。
なので、元のチャンピオンのコンセプトを完全に崩すようなスキンは要求できません。
ですが、エリシアは既に弓と弓矢を使います。これがアッシュを選んだ理由です。
Ashley
私はあなたがどのキャラクターについて話しているか知っています。
ですがBeryL選手、あなたは私達に説明しなければなりません。
なぜならあなたが説明しないのなら、視聴者に向けて補足映像としてサブカットを入れなければなりませんので。
BeryL
私はちょっと彼女の説明をしたくないです。
それよりもただ写真を見せるだけで…
Ashley
サブカットがいいですか?
BeryL
サブカットみたいな…
Ashley
10枚の写真とかがいいですか?
BeryL
10枚の写真ではなく、5秒のサブカットをお願いします。
Ashley
プレシーズンが始まり、BeryL選手はもう一度ソロランクをし始めたとお聞きしました。
BeryL
今は休暇も終わって本社に戻ってきたので、再びソロランクを始めました−メタがどのようなものか知る必要がありましたから。
そしてソロランク全体の印象としては、ボットレーンに対して経験値ナーフが入ったことです。
これまでソロランクをすごく頑張ったとは言えませんが、これまで10ゲームほどプレイしました。
その経験を踏まえると、今のメタは、1度ガンクをされると経験値差を埋めることは本当に難しいということです。
チャンピオンプールはほとんど同じです。
そして、“チャンピオンX,Yが良い”と決める前にもう少し学ぶことが必要そうです。
しかし、最も顕著な変化は経験値ナーフによるものです。
1度遅れを取ると敵のボットレーンに追いつくのは本当に難しいです。
Ashley
今度はボットレーンに影響が出るのでしょうか?
ボットでスノーボールをするチャンピオンをもっと見ることができるのでしょうか?
序盤の小競り合いやレーンリードを狙うチャンピオンが増えるのでしょうか?
BeryL
ボットレーンがCSをとれないケースは2つあります。
1つ目は、敵チームがタワーダイブのプレッシャーをかけ続け、自分たちがデスしてしまうかレーンから押し出されて経験値を獲得できない場合。
2つ目は、ボットレーンが2対2のマッチアップで遅れを取るか、ミスをして純粋に戦力差で経験値を奪われる場合です。
そして今後のパッチではこれらの戦術をより積極的に使うチームが現れると思います。
つまり…経験値のパッチ以降、1度でも経験値差が生まれると…
今はジャングルのことはわかりませんが、レーナーにとっては本当に追いつくのが難しいです。
前回のパッチでジャングルプレイヤーが差を縮めるのが難しくなったように。
Ashley
BeryL選手はジャングルについて言及しましたが、プレシーズンではジャングルロールの改訂がありました。
私は色んなジャングル選手と、このことについて話してきましたが、
ジャングルロールがシンプルになったと言っている選手もいれば、ジャングルアイテムにスタックがあるのでカウンタージャングルの価値がより高まったと言っている選手もいます。
−つまり、新しいパッチではジャングルからのスノーボールがより簡単になったと考えているようです。
BeryL
LoLの歴史の中で、ジャングルロールが重要でなかった時期はないですが、
最近のパッチでは…ジャングルロールは…
ジャングルにはいくつかの“役割”があるからです。
ゲーム序盤にレーナーに有利を与えたり、チームがより安全だと感じられるようにしたり…
そして、これは先程話した経験値パッチの話に戻ります。
1度ガンクされ、デスして遅れを取ると、相手にリードされているところから挽回するのは本当に難しいです。
ジャングルルートにより早い段階でリードを得たり、視界を意識してガンクをする−私がこれを言うのは、ワードシステムも最近バフされたからです−ジャングル選手は、今年の序盤は本当に輝けると思います。
Ashley
なぜ“今年の序盤は”と言ったのですか?
BeryL
というのも、今はまだプレシーズン中です。
また、Riotはプレシーズン中はより自由にあれこれと実験し、強すぎる部分を調整し、今年のゲームの方向性を微調整します。
今年も例年と同じように、Riotは様々なことを試しています。
それは毎年同じです。
Riotはプレシーズン中に比較的自由に新しいシステムを実験し、MSIとサマーシーズンの間にメタの見直しを行い、特定のシステムやゲームが大きく転換し、ゲームのペースが変わる可能性があります。
つまり、スプリングシーズンとWorldsの間ではメタの骨格は変わらないかもしれませんが、どのアイテムやチャンピオンがメタであるかは、おそらく変わるでしょう。
つまり、このメタの“骨格”は今年いっぱいは残るでしょう。
今年、Riotはジャングルの改訂を行い、新しいアイテムをリリースし、既存のアイテムをいくつか作り直しました。
なのでRiotは2022年のWorldsと比較して“新しい骨格”を作ろうとしましたが、そこまで大きくは変わりませんでした。
Ashley
ということで、BeryL選手の近況やプレシーズンパッチについての考察をお聞きしました。
そしてもちろん、2023年のDRXについても取り上げますが、
未だにファンの間で語られている2022年のWorldsの結果についても触れておきたいと思います。
これを聞いても大丈夫でしょうか?
というのも、他の元DRX選手はWorlds優勝の感動を公に語っていますが、BeryL選手からはあまり話を聞いたことがありません。
2022年のWorlds、そしてその最終的な結果をどう振り返りますか?
BeryL
夏のプレイオフまで遡ると、私たちのパフォーマンスはただ良くなかったですよね?そしてチームワークも悪かったです。
しかし、私たちはプレイオフから地区予選まで練習時間があり、そこでチームワークを取り戻し、地区予選、Worldsと戦っていくうちに、すべての選手が個々のパフォーマンスを向上させることができたので、最終的に優勝することができたのだと思います。
Ashley
多くの元DRX選手は、EDG対DRX戦がチーム力の向上を可能にした“核心”だと考えているようです。
準々決勝の直前にようやくチームが共通認識を持ったということです。
そしてその共通認識の上でDRXが劇的な逆転勝利をおさめたことでチームの士気が上がり、チームのパフォーマンスも向上した…
これは他の選手からもよく語られている話です。
BeryL選手も準々決勝がDRXにとってのターニングポイントだったと思いますか?
BeryL
そう考える人が多いのはわかります。
しかし、準々決勝のEDG戦では、打ち勝つことができないような大きな実力差は感じられませんでした。
実際、私達全員が思っていたのは、
「もしかしたら自分たちの方が強いんじゃないか?」
「ただの個々のミスや判断ミスで負けている気がする」
といったことです。
準々決勝では、必ずしも実力差で負けるとは思っていませんでした。
Ashley
そして、グループステージ後、BeryL選手、Deft選手の両選手が、DRXは意外と優勝候補になれると言っていました。
その時からDRXはWorldsで優勝すると思っていたのですか?
DRXは誰でも倒せると?
BeryL
過去の3,4年のLCKチームのWorldsの成績を見てみると、LCKチームは必ずグループステージを突破し準々決勝に進出しています。
そして、どのLCKチームにとってもこの準々決勝が最大のハードルと言えるでしょう。
準々決勝で負けるか、勝って準決勝に進出するかでチームの運命が決まってしまいます…。
なので、私はWorldsの一番最初から、DRXが目指すべき高さは準決勝であると言い続けてきました。
そして自分たちの実力と、トーナメントステージで対面するチームの実力を“体感”してみた時、実は大きな実力差を感じられませんでした。
だから私は“優勝候補”と言ったのだと思います。
Ashley
また、他の元DRX選手からスクリムについての話を−DRXとT1はトーナメントのブラケットが反対側でしたよね?
なのでDRXはT1とよくスクリムをしていたが、その対戦成績はひどいものだった、という話を聞きました。
BeryL選手、この話についてもう少し詳しく聞かせてくれませんか?
BeryL
というよりも、準々決勝以前のグループステージに戻っても、わたしたちのスクリムの勝率はかなり低いのです。
しかし、準々決勝からわたしたちはT1,JDGとスクリムをたくさんするようになりました。
そして、そのことが自分たちのパフォーマンスを再び軌道に乗せるのに役立ったと思うのですが…
正直なところ、スクリムではチームメイトが“全力”を出していないと感じました。
例えば、本番では100%の実力を見せる選手がスクリムでは100%の実力を見せない…
もちろん、常に全力をだしている選手もいました。
そしてそれはその日の調子にもよるものだと思います。
でも全体的に見ると、スクリム中は全力を出さず、体力を温存することで本番で100%の実力を出せるようにしていると感じました。
Ashley
BeryL選手、ハイマーディンガーのピックを最初に思いついたのはあなたですか?
それとも、他のチームがスクリムで最初に実験をし始めたのでしょうか?
ハイマーディンガーはどのようにしてWorldsの間、上位ピックになったのでしょうか?
BeryL
プレイインにつながるスクリム中に使い始めました。
通常、Worldsの期間中にケイトリンのドラフト優先順位が非常に高くなりますが、いくつかのチームはケイトリンを優先していませんでした。
それでも、私たちの観点から、ドラフトで多くの実験をしているチームがWorldsでいい成績を残すと認識していました。
それで、ケイトリンで色々なことを試していたのですが、
“ケイトリンと組むならどのサポートがいいだろう?”と考えていたときに、ハイマーディンガーを思いつきました。
ハイマーディンガーサポートOTPが韓国のソロランクにいたことを思い出したのでハイマーディンガーを試してみることにしました。
実際、ハイマーディンガーは私達の予想以上にいい結果となりました。
そしてDeft兄が「OK、BeryLがハイマーディンガーを使った時の勝率がいい。ハイマーディンガーで十分練習したし、スクリムで使い始めてみた方がいい」と言いました。
なぜならサポートがハイマーディンガーをプレイした時、ゲーム全体がとても独特なものになるからです。
私たちは、ハイマーディンガーで既に勝っているのにハイマーディンガーで練習してもパフォーマンスの向上に役立たない…と思い、ある段階からスクリムでハイマーディンガーを使うのを辞めました。
Ashley
スクリムといえば、この話を持ち出さなければなりません。
最近、Pyosik選手がストリームに出演し、Worlds期間中にDRXで何が起こったかについて話していました。
その内容は、Pyosik選手はあなたとたくさん口論していたが、あなたとPyosik選手は和解することになったといった話です。
その後、Deft選手がストリームを行い、スクリムの後、Pyosik選手があなたを罵り、部屋を飛び出していったという、第三者視点の話をしていました。
さて、私たちはPyosik選手側とDeft選手側の話を聞きました。
今度はBeryL選手側の話を聞く必要があります。
BeryL
私がどれだけ一連の出来事を思い出せるか、100%正確ではないかもしれません。
でも私が覚えているのは…私たちはスクリムをしていて、それはとても遅れを取っていました。
ブルーサイドでプレイしていて遅れを取っていたのですが、Mid-JgのDuoが小競り合いが得意で、ボットサイドの川付近で敵のMid−Jgを2対0で倒したのです。
そして、そのキルが起こった直後にトップリバーサイドのスカトルクラブが出現しました。
Pyosikはキンドレッドをプレイしていて、キンドレッドのマークがそのトップサイドのスカトルクラブの上につき、ドラゴンは小競り合いが起こった場所の近くでちょうど出現したところでした。
ドラゴンがちょうど出現し、敵のサポートはミッドレーン付近をうろうろしてたので、わたしはPyosikに−
まぁ、その試合は遅れを取っていましたが、Mid-Jgが活躍して小競り合いに勝った、みたいなことですよね?
その時、わたしはPyosikに、あのタイミングで立ち止まって、敵チームがドラゴンのスタックを増やすのを阻止して、ミッドレーナー付近をうろうろしている敵のサポートが川に来るのを阻止して欲しかったのです。
そうすることで、レーンをプッシュし、良いリコールタイミングを探せます。
これはボットレーンも遅れを取り戻せることを意味します。
視界状況なども含めて、理想的な状況でした。
しかしPyosikはキンドレッドをプレイしていて、どうしてもマークを取りたかったので、Pyosikはトップサイドの川に移動し始めました…
Ashley
どうしようもないですね、彼はキンドレッドプレイヤーですから。
BeryL
それで結局、口論になってしまいました。何が“正しい”答えなのか私にはわからなかったです。
でも、私の視点からすると−もしこれがソロランクだったら、Pyosikはそのようにプレイできたかもしれません。
ですが、これはチームゲームですよね?なので、チーム皆で成長し、チームの他のプレイヤーと共にプレイした方がいい…
はい、結論としては、私はPyosikにはキンドレッドのマークを追うのではなく、ミッドレーンからボットの川に来ようとしている敵のサポートを足止めして、この遅れを取っている状況を止めてほしかったのです。
Ashley
Pyosik選手は、あなたに怒り、口論になり、その後和解したことをとても鮮明に語っていました。
しかしBeryL選手、あなたはその当時、その論争について怒っていないように思えます。
BeryL
恐らく私の性格がとても変わっているのかもしれません…。
なので、Pyosikが私に攻撃的な言葉を投げつけ部屋を出ていったのですが、私はそのことで傷つきませんでした。ですが…
ほら、午前中はスクリムで、午後は本番だったんですよ。
私にとって、スクリムよりも後のその日の試合に勝つことのほうが重要だったのです。
Pyosikがいない間、コーチの皆さんにどっちが良いプレイだったと思うか尋ねました。
あるコーチは「うん、キンドレッドがあの状況を引き止めて、敵チームのドラゴンスタックを止めていれば、長期的に見れば良いプレイだっただろう」と言っていました。
一方で別のコーチは「キンドレッドはレイトキャリーチャンピオンだから、キンドレッドがマップ上部を完全にクリアして、キンドレッドが早めにスパイクを迎えられればそれほど悪くなかっただろう」と言っていました。
そしてその議論の後、Pyosikが私のところへやってきました。
本当はPyosikの所へ先に行こうとしてきました。でも私が彼の部屋番号を知らなくて、周りの人に聞こうとしていました。
しかし、私が部屋を離れようとしたときに、Pyosikが来てくれたのです。
なので、私たちはいい感じに終わりました。
Ashley
Pyosik選手は2022年の春から夏、そしてWorldsに向けて、あなたからどれだけの批判やフィードバックを受けたかをよく話していますね。
2022年を通してのPyosik選手の成長について教えて下さい。
BeryL
そうですね、今、ジャングルプレイヤーにできることはたくさんあり、自分のチームのレーナーの気分を良くさせたり、敵のレーナーを妨害したりすることができます。これは特に2022年の夏シーズンはそうでした。
LCKのPeanut選手、LPLのKarsa選手、この2人の選手はこういったタイプのプレイを頻繁に行っていました。
例えば、ゲーム序盤にカウンタージャングルをして敵のジャングラーを押し出すと、
カウンタージャングルを行った近くのレーンの敵レーナーは危機感を持つようになります。
Peanut選手とKarsa選手はこのようなプレイをよくしていました…そして、このようなプレイの背景には多くの研究があります。
そしてPyosikはジャングラーなので、結局は自分のジャングルルートに責任があります。
Pyosikとはたくさんこの話をしたことを覚えています。
Ashley
Pyosik選手は、「BeryL兄が、私はCanyonレベルのジャングラーになれると言っていた」とも話していました。Pyosik選手はとても感動したようです。
BeryL
正直に言いますと、Pyosikはメカニック的には上の方なんです。
ただ、2022年のシーズンが始まった当時、Pyosikは“チームが利益を得るためにどのようにジャングルを回るべきか?”、“敵レーナーを脅かし、不快感を与えるようなジャングルルートはどうすれば良いか?”あたりの頭脳が欠けていました。
しかし、Pyosikは2022年の世界大会を通じて、この点で大きくステップアップすることができました。だから私は彼にCanyonレベルのジャングラーになれると言ったのです。
Ashley
Worldsで1番印象に残っていることは何ですか?
BeryL
私はDRXの試合を何度も見直したので、もう振り返るのをやめたいです。
Worldsで印象に残っているのは、準々決勝のGEN対DK戦ですね。
あの試合は両チームとも非常に接戦でした。しかし、より“追いかける”プレイをしたチームが最終的に負けました。
結局、大舞台で最大の違いを生み出したのは…
例えば、いつも個人のパフォーマンスやメカニックで試合の不利な状況を覆している、ある選手がいるとします。
しかし、その選手はWorldsのような重要な舞台でそのクラッチプレーをいつもすることができるわけではない。
それが準々決勝の大きな学びだったかなと思います。
Ashley
あなたはDKがあの試合で勝つことができた世界を見ているように感じます。
それはどのようにですか?
BeryL
その試合から得られるものは人によって様々だと思います。
あの日、DKがケインをピックした判断に疑問を持つ人もいます。
私が見たのは−あの日、Canyonはケインを本当によくプレイしていました。
しかし結局−ケインはポケットピックですよね?よくプレイされるわけではありません。
しかし、ケインと対面することになったPeanut選手はチャンピオンとしてのケインをとても良く理解しているように見えました。
Peanut選手は自身の損失を最小限に抑えつつ、ケインの変身を阻止する方法を知っていました。
結局、ケインはポケットピックだった…
Canyonがあのポケットピックをどれだけ上手にプレイしたか、
またPeanut選手がそれに対してどれだけ上手にプレイしたかについて感銘を受けました。
Ashley
Worldsでの優勝はどのようなものでしたか?
BeryL
私は、2020年に既にWorldsで優勝しています。
しかし、2020年のWorlds決勝は、今回と比べると“難易度が低かった”です。
なので、今回の決勝で勝ったときは、2020年のWorldsと比べて、より嬉しかったと思います。
Ashley
そして、2020年のWorldsは観客がいませんでしたね。
観客がいるかどうかで選手の気持ちも変わってくると聞きました。
BeryL選手もそうでしたか?
BeryL
それについて同意できます。
私は準決勝の−試合に勝って、ノイズキャンセリングヘッドセットを外した瞬間、観客の叫び声だけで地面が揺れているように感じたことを覚えています。
だから選手たちは全然違うというのでしょうね。
Ashley
そしてWorldsの後、他のDRX選手はグランドキャニオンを訪れましたが、あなたはそのまま韓国に帰国しましたね。
BeryL
先程お話したようなことです。ただゲームが好きなだけなのです。
アウトドアや観光、そういったものは好きではありません。
また、お酒も飲みません。
だから、もし私がチームと一緒にツアーに参加したら…
もしお酒を飲みに行くことがあったら?お酒を飲みながら何を話さなければいけませんか?
全体的に圧倒される感じがありました。
出かけるのは好きではありません。
Ashley
BeryL選手、私はこのインタビューを通じて、
あなたが”LoLはどのようにプレイされるべきか”、”ジャングルまたはサポート選手がゲームのある時点で何をしなければならないのか”、”あるパッチがゲームの仕方にどのような影響を与えるか”、
といった非常に具体的な考えを持っていることに気付かされました。あなたは非常に強い信念を持っています。
あなたはどうやってそのような特殊なゲームの見方ができたのですか?
BeryL
当初は私もそういったことに関して非常に不勉強でした。
ですが、Daenyコーチと一緒に仕事をした短い期間に、彼は私にゲームについて多くのことを教えてくれました。
ゲームの仕方だけでなく、特定のドラフトの長所や短所、あるチャンピオンの長所を最大限活かす方法、特定の状況で、どのコアアイテムが最適なのか、などです。
Daenyコーチはこれらについて様々な意見を持っており、私は彼のゲームに対する姿勢から学びました。
そして今、私はそのような具体的なゲームへのアプローチを持てるよう努力しています。
Ashley
Worldsの決勝直後の記者会見で、記者から
「他のサポート選手に何かアドバイスはありますか?」と質問され、
BeryL選手は「サポートは裏方でやるべきことがたくさんある。サポートがうまくなるためには、これらの裏方の仕事をしっかりやることです。」と答えていましたね。
では、BeryL選手、“見た目以上”にサポート選手がサポートロールをするのに求められていることは何ですか?
BeryL
確実なことは、チームがチームコンセプトを忘れないことです。
切羽詰まった時、選手がコンセプトを忘れてしまうときがあります。
なので、サポートは、しばしば他の選手にコンセプトを思い出させます。
例えば、あるレーナーがあるコンセプトで特定のチャンピオンをプレイすることを決めたとします。
もちろん、一番いいのはレーナー自身が理解していることですが、
もしレーナーが忘れていて気づかない場合、サポートである私が介入していってレーナーに思い出させなければなりません。
Ashley
ですが、BeryL選手の説明だと、
それらはどのポジションのどのプレイヤーでもできることですよね。サポートだけでなく。
違うポジションの選手はこういうことはできないのでしょうか?
BeryL
しかし、サポートは本来、他のポジションと比べてゲーム内でこういった事をする時間が多いはずです。
例えばレーナーはCSに集中する必要があるか、チームファイトでの立ち回りに集中する必要があります。
なぜなら最終的にダメージを与えるために長く生き残る必要があるからです。
なので、こういった“雑音”的なタスクをすることをレーナーはしばしば忘れてしまいます。
もし誰かがいるとすれば、サポート選手がこれらのことをチームに思い出させる存在でなければなりません。
というのが私の意見です。
Ashley
BeryL選手、あなたはLoLに対して抱いている特有の哲学はあると思いますか?
BeryL
LoLだけではないのかもしれませんが、私は人生についてこんな哲学を持っています。
皆はそれを“運命論”と呼んでいると思います。
私は全ては起こるべくして起こったと信じています。
例えば、チームAとチームBが対戦しているとします。
そして、チームAがリードしていたが、最終的に試合に負けたとします。
でも私は、その試合の流れはもともと“運命”だったと信じています。
Ashley
あら、本当ですか?
BeryL
はい、これから起こることは、私が幸運だったか不運だったかということではなく、元々全ては運命だったのです。
Ashley
しかし、もし未来が決まっているとしたら、そもそも頑張ろうという気持ちになれるのでしょうか?
BeryL
その部分も、もともと運命だったのだと思います。
私はただ、起こることすべてがあらかじめ決まっていると信じています。
例えば、私がある瞬間にとてもやる気があるとします。
私がやる気を出すということは、その部分も予め決められていたことです。
しかし私がやる気のないまま終わったら、それもまたそういう運命です。
それが私の人生観だと思います。
これを今私が話していることも箱の中の箱の中の箱を想像しているように、予め決まっていたものです。
Ashley
もし私がこの世界をそうだと信じていたら、私はとても虚無主義になってしまうだろうと思います。
なぜなら元々すべてのことは既に決まっているのだから、すべての努力は無意味になるからです。
BeryL
しかし現実は、わたしたちが生きているこの人生は、とても残酷で残忍なものです。
例えば、私がひどい成績をとる学生だったとします。
もしかしたら私はクラスのトップになるために奮闘しているかもしれません。
多くの場合は、努力をしてもそこにはたどり着けません。
現実はドラマティックなおとぎ話ではなく、世界は暖かい場所ではありません。
世界は残酷で冷たい場所です。
もし私が人生で100のことを望んでも、そのうち50も実現しないでしょう。
世界は本当に優しい所なのだろうか?時々そのような事を考えます。
Ashley
いつ幸せと感じますか?
BeryL
ベッドで横になっているときが1番幸せです。
Ashley
このような運命論があなたを原神のガチャに狂わせているのでしょうか?
BeryL
というよりも、試合中は本当に緊張しないのです。
なぜなら全ての勝敗はあらかじめ決まっていると信じているからです。
もちろん、ゲーム中は自分の力を全て出し切りますが。
でも、頭の片隅で自分自身に“おい、どちらかが勝つ運命なんだぞ”と常に言い聞かせています。
だから私は大きなステージでも緊張しないのだと思います。
Ashley
BeryL選手は2023年のシーズンもDRXと再契約することが決定しましたね。
そして先日、DRXの2023年のロースターが発表されました。
新しいチームメイトの第1印象はいかがですか?
BeryL
チームメイトと初めて会ってからまだ24時間も経っていないのですが…。
それは、Deft兄と初めて会ったときと同じような感じです。結局、皆同じ、人間です。
同じハングリー精神を抱え、内面も同じ。結局皆同じなんだと思います。
例えば、100人の人に会ったとします。
そして、その100人の中には外見が違う人がいるかもしれないですし、あの人はもっと内向的だとか何かあるかもしれません。
でも、遠くから見てみると、結局は皆個々の人間なのです。
そんなことを新しいチームメイトに会うたびに感じています。
もちろん、彼らに直接会って1日も経っていませんが。
なので、チームメイトがどんな人たちなのか、性格がどうなのかはわかりません。
しかし第1印象は“やっぱり人間だな”です。
Ashley
“人間”とはどういう意味ですか?“ハングリー精神を持った人間”?
BeryL
必ずしもハングリー精神があるわけではないのですが…どう説明したら良いでしょうか。
Ashley
気になるので是非詳しく教えてください。
BeryL
例えば、Ashleyさんは選手を非常に遠くから、例えばテレビ画面を通してみた時、選手が独特な選手、変な選手に見えることはありませんか?
Ashley
つまり、例えば、ファンからは“変な人”と思われてるけど、実際に会った時に違う印象を受ける選手がいるということですか?
BeryL
そうですね、テレビの画面で見るのと比べるとです。
Ashley
もちろん、そこにはギャップがあります。
BeryL
そして、そのような選手であっても、彼らと知り合った時、自分の家族や友人と同じように、ただの人間であることに気づかなければなりません。
ただ一人の人間です。
Ashley
言いたいことはわかる気がします。
自分自身で表現するのは難しいですが、言いたいことはわかります。
なぜなら、私が実際会った選手たちは皆年齢がバラバラで内向的な人もいれば外交的な人もいて、そしてそれぞれみんな違う欲求を持っているかもしれない。それでも、結局は人間なんですよね。
BeryL
その通りです。私が言いたかったことはそれです。
Ashley
その場合、具体的にdeokdam選手についてお聞きします。
なぜなら、彼はもうすぐボットレーナーパートナーとしてあなたと一緒にプレイすることになるからです。
やはり、ボットレーナーとサポートの間のシナジーはとても重要です。
あなたはdeokdam選手のプレイを彼が他のチームにいたときでも見たことがあるはずです。
deokdam選手を選手としてどのように見ていますか?
BeryL
彼は視界コントロールに“死角”が生じがちです。
しかし、これは彼のサポートが気をつけなければならないことだと言えます。
なぜなら、私はGhostとプレイしたときでもDeft兄とプレイしたときでも、必ずショットコールをしていたからです。
チームファイト中にボットレーナーが見落とす可能性のある死角です。
「Xがこの角度から飛び込んでくるかもしれない」みたいなショットコールをよくしていました。
deokdam選手のプレイを第三者視点で見ていると、
彼はしばしば先程話したような視界外から、予測不能なエンゲージを受けています。
しかし私の考えでは、より精神的に余裕のある選手がチーム全体のためにショットコールをすべきだと思います。
私の考えでは、それはサポート選手であるべきです。
ジャングル選手でさえも、オブジェクトのスマイトファイト等に力を入れるべきです。
結局、精神的な余裕を持っているのはサポート選手です。
オブジェクト争いやチームファイト中に、
「敵Xは視界外だ」「敵はここにいるはず」
「ここが死角になるからこの場所の視界を確保すべき」
といったショットコールは私がすべきです。
もちろん、他の選手は違う考えを持っているかもしれません。
しかし、私はレーナーのためにこれらのショットコールをする役割を担ってきました。
deokdam選手は…そして、ここには十分な情報がありません。
DKの音声通信を聞いたことがありません。チーム内でどのようなショットコールが行われていたか正確にはわかりません。
純粋にDK対GEN戦を楽しんでいた視聴者として判断しています。
したがって、これが私の見解です。
Ashley
アジア大会に出場してみたいですか?
BeryL
正直言うと、出場したいです。
どの選手も、決勝に出場したい、Worldsで優勝したいと思っています。
なので、私が選手である以上、アジア大会に出場したがらないほうがおかしいのです。
Ashley
なぜならわたしは昨日Deft選手にインタビューし、
そして彼は「もし機会があれば、アジア大会でまたBeryLと一緒にプレイしたい」と話していました。
BeryL
Deft兄が新しいチームを決め、それぞれ別の道をたどることになった日のことです。
Deft兄に「こうなってしまったのは仕方ない。奇跡が起こるなら、来年のアジア大会でボットコンビとしてもう一度会いましょう」と言ったことを覚えています。
結局彼は、私がWorldsで一緒に優勝したボットレーナーです。
なのでDeft兄にはそう言いました。そして、もしアジア大会に出られたら−是非Deft兄と一緒に出たいです。
私たちはこの競技シーンでは古株ですし、以前一緒にWorldsで優勝したことがありますから。
Ashley
私たちも楽しみにしています。
そろそろ、このインタビューもゆっくり締めていきたいと思います。
まずはじめに−BeryL選手の歩みを見守ってきたファンがたくさんいます。
あなたがDKでデビューした時から、あるいは最初のデビュー時、ロールスワップ前のボットレーナーとしてデビューした時から。
彼らはあなたがDamwonで優勝した時も、DRXで2度目の優勝を果たした時も祝っていたはずです。
そんなファンたちが、このインタビューを見て何かを感じ取ってくれたらと思います。
あなたの旅路を見守ってくれているファンの方々に一言お願いします。
BeryL
私はesportsの世界では年長者ですが、キャリアとしてはちょっと新しいんです。
LCK時代だけで言えば、これまで4年間プレイしてきて、もうすぐ5年目に入ろうとしている所です。
なのでプロ選手として超ベテランとは言えませんが…
でも、私のようなおじいさんを応援してくださりありがとうございます。
これからも最高の自分をお見せできるように頑張ります。
Ashley
ありがとうございます。そして、最後の質問ですが、
これは私がWorldsから始めたことでその慣習に則りたいと思います。
BeryL
あぁ、他の選手に送るメッセージですか?
Nuguriにメッセージを送ってもいいですか?
彼は今はもう選手ではありませんが、それでも…。
私はいつもNuguriと性格が似ているような気がしていました。
いつもそんな印象を受けていました。
なので、一緒にプレイしていた頃は本当に楽しかったです。
そしてオフシーズン中に、彼に電話していくつかの事を聞いてみました。
久しぶりに彼と話すと…
昔が懐かしく感じられました。
彼が引退した詳しい事情は知りませんが…
Damwonに戻ってきてからも彼は健康問題を抱えていました。
だから、健康に気をつけて、残りの20代を元気に過ごしてほしいです。
Ashley
Nuguri元選手がこのインタビューを見ていることを願います。
ありがとうございました!