競合を知るには、何を捨てたかをみればいい(グリーンレーベルリラクシングの競合調査)
通販サイトのお仕事をやるうえで、自社の競合はどこかを知る必要があるときがある。そのときに私がやったちょっと変な方法。
マクドナルド創業者の競合店調査
世界一有名なハンバーガーチェーンであるマクドナルドの創業者は、マクドナルドさんではなく、レイ・クロックだが、
彼は過去「競争相手を知りたかったらゴミ箱を調べればいい。私も深夜2時にゴミ箱を漁り、ライバルの肉やパンの消費量を調べた」と語ったことがあるらしい。
なんともすさまじい方法だが、この方法が参考になった
アパレル通販サイトの競合を知りたい
わたしは、あるファッションの通販サイトをお手伝いしていたことがある。
規模が大きくなく、新規ユーザーの獲得が課題であった。
そして、新規獲得のための広告をどこに出すのかを決める際に、競合はどこかを知る必要があった。
本当は10人ほどの家庭にお邪魔して、「クローゼットのなか見せてくださいー」と出来るのがベストだ。
しかし、コロナのご時世ということもあり、なかなか難しい。
過去クローゼットにあった洋服を見る方法
そこで、先ほどのレイ・クロックのゴミ箱漁りに話が戻る。
いまのクローゼットを見に行くことはできないが、捨てられたアイテムを見にいけばよいのだ。それはつまり、過去にクローゼットにあったものを知れることになる。
そこで、メルカリのサイトに訪問した。
ここなら、その人がせどりしていない限りは、合法的に過去のクローゼットをみることができる。
調べたい(お手伝いしている)ブランドのアイテムを出品している人を検索する。
お手伝いブランドの名を明かすのもあれなので、
代わりの例として、green label relaxingで検索してみる。
このうち、出品者個人のページをみて、
ページの下部にある「その他の出品」を見ると、その人が他に何のファッションアイテムを捨てよう(=売ろう)としているのかがわかる。
この出品者個人のページがその他に出したブランドを、丹念に30人ほど見ていく。
※なんとも手間だが、分析においてはきれいな解答がでることはほぼなく、そもそもゴミ箱漁りのように泥っぽいものだと思う
例)グリーンレーベルリラクシングと一緒に出品されていたブランド
実際にお手伝いしているブランドでは、ブランドごとに「正」の字を書いていたのだが、サンプルのグリーンレーベルでは目視で20ほど確認した。
その結果は以下の通りになった。
1.セレクトショップ系を一緒に売りに出していることが多い
やはりというべきか、同じセレショオリジナルの率は高かった。
グリーンレーベルの上位ライン?のビューティアンドユースや、ビームス、アーバンリサーチが多い。
しかし、ナノユニバースやジャーナルスタンダードは見られなかった。
2.グリーンレーベルよりも安いブランドはすくない
メルカリで売られることの多いユニクロは、私が確認した限りでは一件も存在しなかった。ZARAはあるものの、1のセレショオリジナルよりはずっと少ない。
3.グリーンレーベルよりも高いブランドはばらけている
グリーンレーベルよりも高い価格のものは、特に共通点は見いだせなかった。
例)グリーンレーベルリラクシングの競合を推測する
それよりも単価の低いものは出品されていないため、グリーンレーベルリラクシングは、その人が買うもっとも単価の低いブランドに位置付けられていると思われる。
一方で、グリーンレーベルリラクシングよりも単価の高いものはばらつきがあり、セレショオリジナルの出品が多いことから、やはり競合は、セレショオリジナルということになるだろう。
なんとも皆の想像通りではあるが、セレショオリジナルのすべてがライバルではないようだ。
出品されているブランドから考えると、最大のライバルはビームス、次点がアーバンリサーチであると思われ、
逆にナノユニバースやSHIPS・ジャーナルスタンダードなどは実は競合ではないと考えられる。
※確かにアローズの店舗の近くにビームスがあることは少ないが、ジャーナルスタンダードなら存在することがある。
補足 お手伝いブランドのその後
上の方法で競合をみつけて、競合のエリアにも広告を積極的に配信し、うまくいったようである。
私は広告のことは素人なのだが、うまくいってよかった。
補足2 本の紹介
このメルカリで競合のあたりをつける方法のきっかけになった、マクドナルド創業者の競合調査の件だが、
私は、原著をあたったのではなく、まとめられた本のほうを読んでいる。
原著を読むことでの学びも多いが、まとめられた本を読むのもエッセンスをつかむにはとても便利。
※このリンクはAmazonアソシエイトのものです
(最後に。わたしはグリーンレーベルリラクシングの中のBractmentっていうシリーズが好きです)