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Amazonオーディブル「墨のゆらめき」

Amazonオーディブルで三浦しをん著「墨のゆらめき」を聴きました。

時代の最先端に「書」で挑んだ。初出は、インターネット大手アマゾンが提供する音声配信サービス「オーディブル」。「朗読で聴くなら」と物語の軸に、あえて書を選んだ。「他人の字を見て驚くことがありませんか? 思いのほか汚くて愛らしいとか。文字はその人の体温や思い、体の様子などを伝えてくれます。それを音で表現すると、聴く人それぞれに、文字や登場人物を想像できて、おもしろいのではないかと考えました」

2023/6/24 毎日新聞 今週の本棚「著者に聞く」

書籍版が発売された時に読んだインタビュー。
オーディブルのアプリを入れたら絶対に聴きたいと思った作品でした。

やっと聴けました。
耳で聞く読書、良かったです。
文字で読むより案外時間がかかってしまいました。
そこは不慣れなのもあるかな。
「成瀬は世界を取りに行く」は割とサクサク聞けたのだけど。

櫻井孝宏さんの朗読、素晴らしい♥
主人公・力(ちから)の一人称語りなのだけど、もうひとりの登場人物・薫とははっきり語り分けされているし、複数の小学生たちもちゃんと声変わり前の小学生だし。

ストーリーは、めちゃくちゃ「三浦しをんの世界」です。

新潮社のサイトより

薫がチカに惹かれたのはチカの特殊能力「やたらと人から話しかけられやすい」だろうけれど、完全に「落ちた」のはチカが語った、小学生の少年が遠くに転校してしまう友だちに送る手紙の代筆文面だろう。
小学生の語彙で語られた温かくて美しい手紙。
(実際は送られた子供に「あの手紙誰に書いてもらったの?」と一発で見破られるのだけど)
あれで落ちないヤツはおらんやろ。
チカは無自覚だけど。
(多少は自覚してる?)

繰り返しになるけどその美しい手紙が櫻井孝宏の声で読み上げられるのがいいのよ♥
本当に「銀河鉄道の夜」みたい。

パンダのくだりには爆笑しました。
タイトル写真に「ふたごパンダ」を選んだ理由、本書を読んだ方には分かってもらえるはず。


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