昔の自分に向けた、英語学習のアドバイス。
「思いのほか勉強が捗らないなぁ、それなりに勉強時間を確保しては居るのだが。」
そんな時は、がむしゃらに勉強時間を確保するのではなく、その環境や質と、「そもそも何を得たいのか」を冷静に見つめ直した方が良い。
例えば、通勤電車で毎日英語のリスニングをしている人がいるとしよう。("定番"と目される学習法だ。)
片道40分程度、BBCやPodcastを往復聞き続けるとする。1ヶ月に20日出社するとして、学習時間は1600分。なかなかの時間だ。
何となく耳が慣れた気がして、試しに問題集を解いてみる。ところが、大抵の場合上手くいかない。「あんなに毎日聞いたのに…英語はやはり大変だ。」と段々嫌になってきて、次第にSNSをチェックする時間に移行していったりする。よくある話だ。
なぜ上手くいかないのか、理由は至ってシンプルだ。耳だけを活用したリスニングでは「既に聞ける音」しか聞くことができない。彼等に必要なのは「聞けなかった音」を「聞ける音」に変える作業である。そのような場合には、スクリプト付きの教材を用いなければならない。
「子供はスクリプトなんか読まなくても、話せるようになるじゃないか。」
よくある批判だが、子供はベテランの家庭教師(親)から、目の前の画像に適合する正しい音を常に聞かされ、アウトプットを修正され続ける。彼らにとってそれは知的好奇心の最中にあって、生きるために成さねばならないことでもある。我々の「ちょっと英語を話せるようになりたい。」等という覚悟、動機とは前提が違うのだ。
頭の中のイメージに合う音を作り出す、つまり口に出してそれを確認する練習。一見関係ないようで、これもリスニングに効果的だ。自分の中に染み込んだ英語のリズムはほとんど聞き漏らさない。話せる音は、必ず聞くことができる。
単語を定着させるには、何度も見返すのが効果的だ。単語にまとまった時間を割くことは誰しも憂鬱だが、短い隙間時間(1分でも良い)を何回か重ねることくらいなら、その気になれば誰でもできる。今のご時世、単語帳を作って持ち歩く必要もなく、読んだり、聞いたりした単語を辞書アプリ(Weblio等)に保存し、スマホひとつでいつでも勉強できる。実に幸せな時代だ。
家に子供が居て発音の練習ができないなら、会社の会議室や応接室を昼休みに借りることも一案だ。家で気を遣うより、思いっきりアウトプットの練習ができる。予め講師と時間を合わせて、オンライン英会話をしても良い。家は家族と過ごす場だと割りきることで、公私の切り替えもしやすくなる。
我々はしばしば誤った努力を続け、そのサンクコストを惜しみ、ついには学習を放棄する。それも良いが、自分の作り出せる時間・質・場所、そもそも何を身に付けたかったんだっけ?と言ったことを問い直し、効率的に身に付けていきたいものだ。
過去の自分に向けた、メッセージである。
何かのお役に立ちましたなら幸いです。気が向きましたら、一杯の缶コーヒー代を。(let's nemutai 覚まし…!)