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腎生検〜出産よりきつい〜
人生初の腎生検
全身性エリテマトーデスの気配は血液検査の結果からすでに予期されていた。
あとは確定診断で、不調のでてる腎臓を直接見るだけ。
腎臓内科の先生曰く、週1ペースであるポピュラーな検査だという。
内容は・・・
・開腹手術ではなく、エコーで腎臓の位置を確認しながら細い針で突く。
文章で書くととても簡単そうな検査であるが、その後が辛い。
・検査後3時間は、背中に砂嚢を入れ絶対安静。6時間経過後に砂嚢除去。ギャッジアップ45度はOK。翌朝まで背中、腰及び刺した側の足は絶対動かさない事。
この注意事項がすごく辛い。
しかし、腎生検前日。
私は呑気に芋のお菓子を買いに行っていた。
腎生検当日
朝から、尿道カテーテルを入れられる。
これは腎生検後絶対安静となり、トイレにも行けないため仕方がないこと。
これも人生初の体験。
とりあえず、少々の痛みと違和感。そして多大な不快感。
ただこれは後の絶対安静状態になってからは、全く気にならず・・
むしろ快適であったことにびっくりした。
尿道カテーテルを入れた後は、ベッド移動となるため全く身動きがとれず、
ナースステーション横の治療室にベッドごと運ばれる。
そこで、精神安定剤の錠剤を飲み、精神安定剤の点滴をいれ、ふわふわとした状態で待機することになる。
準備に時間がかかっており、数分であるが寝てしまって看護師に起こされる。
腎臓内科の先生が4人揃ったところで、腎生検開始。
といっても、腰にブロック注射をして麻酔が効くであろう時間まで待機。
その間医師はエコーにて腎臓の位置を確認していた。
いざ、腎生検
実際この頃は精神安定剤が効いていたし、ブロック注射もしっかり効いており痛みや不快感は皆無。
ふわふわした状態で医師の指示を待っていた。
まずは、腎臓を針で取る時の音を聞かされる。他の体験談で、大きな音と記載されていたが、実際にはそんなに大きく感じず、おもちゃの鉄砲を弾いたくらいの静かさだった。
また、腎臓の検体を取る瞬間息を止めないといけないのだが、その前の呼吸は大きくても小さくてもいけないようで、私は何回も「もう少し小さく息しようか」とか「さっきのよりは大きく息しようか」などたくさん注文がついた。多分エコーを見ながら腎臓が止まる位置を確認していたのだろう。
1回取るごとに、検体内の糸球体の数を確認していたらしい。
1回取ると、すぐ圧迫止血。
先生の全体重が左腰にのしかかる。
数分すると2本目・・・と3本取った地点で異変が起きる。
突然の吐き気
それは急遽やってくる。
「先生、気持ち悪い・・・」
医師がざわめき、みるみる血圧が下がっていく。
しかし、ベテラン医師は冷静だった。
「圧迫止血、半分くらいの力で!」
そう・・・若めの男性医師は圧迫止血に必死で全体重を私の左腰に置いていたのだ。
危うく圧迫死するところだった。
吐き気が落ち着き、バイタルが安定したのを確認してから、取る先生が交代した。
いつもの主治医だった。
さすが主治医
年齢は知らないが主治医は女性で、化粧っ気もなく少女のように小柄な先生だった。
県内に3つしかない腎臓内科の希少な女医。(なはず・・)
週一ペースで腎生検をこなすと言っていただけあって、
彼女に変わってから2本取るだけで十分な糸球体が取れたことが確認され、
私の人生初の腎生検は終わった。
このあと、私はほぼ一日動けない地獄に向かうのであった。
腎生検後
最初に書いたように、腎生検後は絶対安静となる。
刺した部分は後に見たが、とても小さく蚊に刺された程度の傷。
大袈裟だな〜と思っていたが、内臓に達する深さでできた傷・・・
まあ、安静だわね。
最初の6時間までは意外とすんなりいけて、
「もう6時間経ったのか・・・」と思うほどだった。
16時30分で6時間経過していて、翌日8時半ごろに主治医が来るので、
そこでエコー検査をして大丈夫なら動いてよし。
と、いうことだったのだが・・・
ここから腰が痛くなってきて、もう右側の足が痛い・・・
なんとか右側の足を動かすが、それでも痛い。
三角のクッションで多少体位をかえてわもらえるけど、やっぱり辛いので少しの時間でまたナースコールしてしまう。
この一晩が、私にとっては1番辛い時間となった。