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『ペネトレイト』はAIアートで完成した

無事にコンプリヘンドの新曲『ペネトレイト』がリリースされました!


こちらで視聴やDL、ストリーミングが可能な各リンク先がまとまっています。


私はアートワーク担当として、ジャケットアートに携わっています。
今回試してみたのはAIアートです。


AIアートとは、テキストや画像で指示をして、AIがイメージを画像出力するという技術です。
実際に絵を描いたりとはまた別の技術になります。
(イメージにより近づけるための修正時には、絵を描くスキルが必要です)


アート業界に賛否を生み、イラストレーターやデザイナーの仕事が無くなるとも言われるAIアートでもありますが、
私はうまく共存していく方法を考えるのが建設的かなと思っている派です。

あとは、使う人がモラルや著作権の知識を持った上で
扱う必要のある段階でもあると考えています。


ちなみに今回出力されたイラストは、AIだけでは完成しませんでした。
AIアートを、より自分の思うイメージに近づけるために修正しています。

今回のnoteでは、完成するまでにやったことと
before afterの解説をしようと思います。


この他にも、実際使ってみてわかった
AIでできたこと、AIが苦手なこと
AIを使うことで起きるデメリット。
AIとの共存の方法もあると考えられたので
これらは次回のnoteにでもまとめようかな。

調べればいろんな意見がすでにありますし
飽和しつつある情報かとも思います。
なので、私が作ってみたジャケットアートに関連して
感じた話としてご覧いただければ幸いです。



ジャケットアートのbefore after

まずは比較できるよう、画像を並べてみます。

『ペネトレイト』ジャケット完成版
『ペネトレイト』ジャケット完成版


AI出力版
AI出力版

他にも出力されたものの一部を公開しますと…

ボツになったAI出力画像の一部
ボツになったAI出力画像の一部

これらが全てAIによって出力されました。
一番イメージに合ったものを選び、修正を加えて完成したものが
今回のジャケットアートです。



使用したAIについて

今回のジャケット画像が完成するまでに
・Medjourney(Discordで登録〜指示〜出力)
・画像生成AI(アプリ内で指示、広告視聴後に出力)
・CANVA(デザインアプリ内のアプリ『text to image』使用)
これらを使っています。

上記のものは全て文章からイメージを出力するものです。

英語で指示をするものや、日本語でも対応するもの等
AIアートを作れるものの中でも色々とあります。
今回は全て、無料で使えるものだけを使用してみました。


他にも、自分の作品を元にAIに勉強させ
簡易的な絵のポーズから自分の作品風の絵を出力してくれるもの等
いろんなAI画像の作り方があります。

また、サイトやアプリ毎に反応する特性が違うようです。
同じ文章を入れても、出力される雰囲気がまるきり違いました。


ちなみに今回のジャケットのイメージに一番近いものを出力したのは
CANVAでした。
好みやイメージに合わせて使い分ける必要がありましたね。



修正をした箇所と、修正方法

改めて比較画像です。

『ペネトレイト』ジャケット完成版
『ペネトレイト』ジャケット完成版


AI出力版
AI出力版

修正した箇所
・壊れたイメージをつけるためのパーツ追加
・髪の毛の削除〜背景の追加
・植物の描き加え
・前ボケ(カメラ用語かも)の植物追加
・古いフィルムカメラで撮影したようなフィルター
・ツルッとした肌質〜汚し加工追加
・唇と目の形状を修正
・耳の追加

修正はすべて手描きです。
意識したのは
・ピントの合う場所、合わない場所のボケ具合
・デッサンに嘘がない状態
・ロボットの構造を研究し、極力嘘のない状態にする
・AI感を残すため、バグは若干の修正のみ(目の形等)
・曲のイメージに合わせた色や質感にする
・後で作るジャケットムービーへの、加工しやすい素材分け

こういった修正で完成しました。

最初からイメージに完全一致するものは出てこないと思っていた方がいい。
だからこそ、修正できるだけのスキルも必要ですね。



使用したテキスト(プロンプト)について

テキストから画像イメージを出力するタイプのAIアートは
『T2I』(text to image)と表記されることが多いです。

AIアートをテキストで出力する際、打ち込むテキストのことを
『プロンプト』といいます。

プロンプトは、選ぶワードによって影響が強い画像になったり
反映されない画像が出力されてしまったり
またAIによっても影響力が違ったりと
いろいろと試す必要がありました。

その中でも使ったワード
・Photoreal(フォトリアル)
・人型ロボット(アンドロイド、ロボットではイメージに合わず)
・イメージの人物に合った国の名称(人っぽくするために使用)
・花の名前(「植物」ではうまくいかず、詳細に指定しました)
・星空(星空は無くなったけれど、夜っぽいイメージになりました)
・顔(入れたことで、正面向きアップのインパクトある絵になりました)

このあたりは出力した画像のほとんどで使った指示ワードです。
同じワードを使っても、同じ画像は出力されません。
イメージに近くなったら、同じワードで何度も繰り返したりしました。

イメージに近づけるため、類語も試し続ける根気も必要でしたね。



AIを使用してみた感想

総合的に、自分の思っていないイメージが出ることでより良くなったり
各AI毎に特色があって、イメージが偏るとわかってよかったです。

自分で描くこともできるし
AIで大まかに制作して修正することもできる
という選択肢になりました。


個人的には、新しい技術が民主化されていくのが嬉しいのです。
だってね、昔はどえらい金額をかけなければ何もできませんでしたから。

例えば、私がデザイン系専門学校に入ってPCとadobeソフトを購入した頃。
Mac book G3というバージョンで、AdobeはCSというバージョンのパッケージを購入していた気がします(…確か)

学生版で他の教材もたくさん購入したので記憶は曖昧ですが
壊れて次に自分で購入した際、30万以上かかりました。

依頼を請けていたタイミングでストップできない。
でも、お金もない。
何がなんでも食らいつかねば…
と必死で購入時にお値引き交渉した記憶があります…(懐かしい)

それでもできるのは、1枚のイラストを完成させるまでのスペックのみ。
動画編集なんて夢のような状態でした。


それが今や、動画も3Dもスマホアプリでできます。
しかもAIなら絵を描くスキルも不要になっていく。
すごい時代です。

とはいえ、絵を描くスキルがあったから
AIでも表現が届かなかった場所まで作品を持っていけるし
知識があったから嘘のない作品にできる。

これらは共存のための力になります。


自分の持つスキルが、どう活かしていけるのか。
環境とどう共存していけるのか。

どんどん安く、手軽にできるようになった時代だからこそ
昔は一部の人にしか恩恵がなかったものと共存できるのです。
考えただけでもワクワクしちゃう!


諦めていたことひとつ、試しに調べてみてください。
手が届かないと思っていたものなんて、今では案外身近にあるかもですよ。

大丈夫、いつからだって人生なんていくらでも変えられる。

見てくれてありがとうございます。
それでは、またね!



お知らせ

▶︎comprehend(コンプリヘンド)◀︎

『誰かの為だけの人生になってないか?』
『自分を生き抜く』を歌うオルタナティブロックバンド。

激しく繊細。
美しく愚直。
あらゆる要素を包括した、ジャンルの枠に囚われることのないcomprehendの音楽を構築する。

comprehend メンバー
vo/gt 根本直哉 ba/cho 外山タロウ

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【シングル定期リリース中!】

💿 最新シングル『ペネトレイト』"定期配信第四弾"


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