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時代の変わり目を生きている ~ニュクスの角灯~

最近読んでおもしろかった漫画シリーズ第二弾。今回は『ニュクスの角灯』を読んでの感想文です。趣味回です。

どうも『自分を生き抜く』をテーマに歌ってます、comprehend「コンプリヘンド」というバンドのvo/gtネモトナオヤです。

『ニュクスの角灯』
明治前期の長崎とベル・エポックのパリを舞台に描かれるアンティーク浪漫。と紹介されてる歴史漫画です。元々は妻が気になっていた漫画でした。

自分は浦沢直樹さんの『MONSTER』が好きなのですが、読み終わって色々調べていたら手塚治虫賞に行きつきました。
(MOSTERについての話はコチラに書かせてもらってます↓)


他の受賞作品はどんなものだろう?と調べたら『ニュクスの角灯』が受賞している。気になって即買いです。読み漁りました。

【あらすじ】
1878年(明治11年)、西南戦争で親を亡くした内気な少女・美世は、長崎鍛冶屋町で工芸品の輸出入を扱う道具屋「蠻」(ばん)で働くことになる。店主の小浦 百年をはじめとする周囲の人々や、舶来の文物に触れる中で、美世は次第に成長していく。同時に、百年のことを恋愛対象として意識し始めるが、百年はかつて暮らしたパリでの初恋の相手・ジュディットへの想いを断ち切れずにいた。

パリにおけるジャポニスムの高まりに着目した百年は、「蠻」のパリ支店を開設するために――もう一つにはジュディットと再会するために――、「長崎三女傑」の一人・大浦慶の助力を得て渡仏する。しかし再会したジュディットは、かつてとは別人のような性格になっていた。一方、長崎に残された美世は、百年の真意を知って自身の想いを断ち切るが、ひょんなことから自身も渡仏することになるのだった――。(以上第4巻までのあらすじ)

華やかな時代の陰で、それぞれに葛藤を抱えた登場人物が織りなす、ビルドゥングスロマン。
-wikipediaより-


コミック自体は大判で(青年コミックより大きい。完全版とかと同じ大きさかな?)カバーが綺麗で滑らかな肌触り。アンティークを題材にしているからか表紙などにもこだわりがあるのかなぁと思いました。とにかく華やかです。

肌触りが良いカバー…



個人的にこの作品のおもしろかった要素は3つ。
・その当時の時代背景が見えること
・商売の豆知識を知れること
・時代の変わり目の価値観の変化


▼その当時の時代背景が見えること▼

歴史は昔から興味がありました。(そんな詳しくはないのですが…。)
明治初期の話を長崎とパリに焦点を当ててくれたので、学校の授業で習ったなんとなく近代世界史、なんとなく文明開花をおもしろく知れました。

この時代はパリに行くまでに船で2ヶ月かかってたり、日本の骨董品や浮世絵がフランスでブームになってたりと(春画がめちゃくちゃ高値で売られていたとか)華やかな時代だったんだなぁと。

そんな華やかな裏で医療などは今と比べるとまだまだ衛生的に不安定。(結核や梅毒などの話が出ていました。)医療に関してはどれだけ今の時代が恵まれてるか…

歴史漫画が面白いのはそういったことを知れるからもあります。



▼商売の豆知識を知れること▼

日本の骨董品屋(アンティーク屋)がパリで商売をする設定ということもあり、どんな物を仕入れてどんな人たちに売るか?どんな物が他の店と差別化できるか?などの話がとてもおもしろかったです。

正直なところ、僕らはバンドだけではまだまだ生計を立ててられません。
以前のブログでも書きましたが、商売やビジネスに興味あるって昔は卑しいなとか思ってました。
でも自分たちがやりたいことを続けていくためにはやっぱりお金は必要です。
(バンドとお金のことについて書いた話↓)


僕らにお金を払いたいと思ってもらえるか?
そんな価値あるものを提供出来ているか?
そういった視点が出てきたからお金の流れって面白いなぁと率直に感じました。

少し話が逸れますが、お金について調べていく中で気になる言葉に出会いました。

お金=感謝の形。
自分にとって価値あるものを提供してくれたから感謝という形で渡すもの。

この言葉がすごく好きです。価値あるものというと大げさだけど、シンプルに言うと
「これ良いな」
「これ好きだな」
「面白そうだな」

といった感情だと思います。

この漫画も面白そうだなぁと思ったからお金を払って買いました。
僕がバンド活動で使ってる楽器や機材なんかもまさにそう。食べてる物や好きで着てる服や住んでる家も。好きな音楽を聴くことやグッズを買ったりライブを観に行くことも。スマホやiPhoneなんかも。

当たり前に支払ってるけど、「これが良い!」とか「これが好きだから!」という見えない部分に『感謝』という感情があるんだなぁと。

そして支払ってもらう側にも感謝が生まれる。そこでまた価値を提供する。
この循環が素敵だなぁと思いました。
改めて僕らの音楽にお金を支払ってくれてる方にも感謝です。
ありがとうございます。

お金のことを卑しいと思うか、感謝の形と思うかでこれからの使い方や捉え方が変わってきそうです。
お金についてはもっと色々勉強したいと思ってます。


▼時代の変わり目の価値観の変化▼

作品の舞台は明治初期。文明開花の時代。作中にも出てくるのですが、着物にブーツという和洋折衷のスタイルなどもありました。

江戸から明治に変わって一気に時代が変わった。海外の文化が流れて、知らないもの見たことないものが入ってくる。(洋服が入ってきたのもこの頃らしい)
ある程度の情報を得られる現代と比べると考えられないことなんだろうなぁと。


大きな時代のうねり=時代の過渡期がある時は価値観がガラッと変わる時
と言われてます。

2020年から起きたコロナ禍でデジタル化への加速度が増し、今もまさに時代の過渡期だなぁと思います。加速したネット社会が国境をなくしてしまったし、生き方や働き方の価値観にも変化があった。
実際、僕自身もコロナ以前と価値観が変わってきてる部分があるなぁと思います。

今を生きてると今が時代の変革期とは分かりにくいのはあります。その渦中にいると見えづらい。明治の文明開花も後から見たら時代の変わり目だったと言うことかもしれません。

そして変わっていった時代の変化や成長は元に戻ることはないのだと思います。
あえて今の時代にガラケーやポケベルを使う人がいないように。

コロナがそろそろ明けそうですが、コロナ以前の価値観じゃない新しい時代が来るのかなぁと勝手ながら思ってます。
時代が変わっていくとしても自分がどうしたいか?どう在りたいか?という意識を持つこと、
そして時代の流れや変化にアンテナを立てておこうと感じました。


最後に…
登場人物にはあまり触れなかったのですが、魅力的なキャラクターがたくさん登場しています。(主人公の美世ちゃんの成長にグッときます)
全6巻ですが大判コミックということもあって読み応えは十分あります。

アンティークや歴史好きな人にはオススメだし、それを抜きにしてもヒューマンドラマとして楽しめる作品だと思います。
気になったら読んでみてください。 リンクを貼っておきます→ https://amzn.to/3IlBaDT


それでは、素敵な1日をお過ごしください。
今日も自分を生きてやりましょう。



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▶︎comprehend(コンプリヘンド)◀︎



『誰かのための人生になってないか?』

『自分を生き抜く』を歌うメロディアスなオルタナティブロックバンド。

激しく繊細。
美しく愚直。
エモーショナルなシューゲイザー、ドリームポップを軸としつつ、グルーヴィー。
あらゆる要素を包括した、ジャンルの枠に囚われることのないcomprehendの音楽を構築する。

comprehend
vo/gt 根本直哉 ba/cho 外山タロウ



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